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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 情報その6 〜-5

 ……。


 20分ばかり検索を続けたところで、そろそろ締めの刻限が迫ってきました。 頃合いと判断したんでしょうか、【B29番】先輩が『以上、終了!』と宣言し、パタリ、ノートパソコンのモニターを畳みます。 内容はともかく、旧世界のネットからたくさんの情報が得られることは分かりました。 ネットの中身はといえば、まあ、学園と違うようで似ているような、私からすれば何とも名状しがたいものでしたが……22番さんは満足した様子です。 とにかく私たちは深々と頭を下げて、後は慣れたもので、部屋を元通りに復元しました。 ものの数分で相談室を後にし、2号室、22号室、29号室とそれぞれの部屋にお別れです。

 22番さんと別れるまでに二言三言会話しました。 何故、検索に選んだ単語が『女性蔑視』『女性差別』だったか気になったためです。 22番さんはちょっと口ごもってから、まるで自分に言い聞かせるようにポツポツと話してくれました。

『……双方向な情報が残ってるっていうのが信じられなかったんです。 昔、そういうネット世界があったっていうのは、それ自体は別に構いません。 実際、有ったとしてもおかしくないです。 ただ、それがそのまま残ってるなんて、変じゃないですか。 仮に閲覧だけにしたって、私たちにも利用できるっていうのは、ちょっと違うんです。 私が思っている世界って、そういう情報は教えてくれないはずですよ……。 それだのに、普通に見ることができるのは、なんだか騙されてるような気がしたんです。 この世界って、そんな甘いものなんでしょうか?』

 淡々とした声色でした。

『情報ってすごく大事だと思うんです。 それを、今までほったらかしにしておくなんて有り得ません。 徹底的に管理しつくした結果が現代社会であって、この学園でもあるんだと、そう思ってます。 私たちだって、何もかも管理されてるんですよ? だとしたら過去にアップされた情報だって管理されてなくちゃおかしいですよね。 放置だなんて……前置きが長くなりましたけど』

 一呼吸おいて、

『本当に双方向なら、女性差別に対して『賛否』があるハズです。 そりゃあ雌が劣っているのはしょうがないにしても、一から十まで差別肯定側っていう風にはなりません。 でも、2番さんもお分かりだと思いますけど、出てきた情報って全部『女性差別』側の意見だったじゃないですか。 双方向なんて建前です。 絶対違う、裏があると思うんです、私は』

 22番さんはジッと私の眼を見据えました。 

『つまり、ほったらかしてたんじゃないんですよ、旧世界の情報すらも。 残してあるのは、ちゃんと現代のフィルタを通るものだけ残してあるわけで、全部仕組まれた、現代に合う情報なんです。 そもそもほったらかすわがない』

 濁りがない、綺麗な瞳でした。

『……其処の所を確認したくて、遅くまで先輩や2番さんを付き合わせちゃいました。 ごめんなさい』

『えっ、い、いいえ、こちらこそ……』

 ぺこり、頭をさげる22番さん。 私としても、慌ててお辞儀を返します。 22番さんが言っていることは、実は全然分からないんですけど、とりあえず謝られるようなことはしてないと思います。 とかなんとかやっているうちに、22番さんは2階に、私は1階へと別れます。

『ふうっ……』

 今日一日、色んなことがありました。 授業、放課後、情報の特訓、検索……色々あり過ぎて、知識が頭の中でうなってます。 このまま寝たら全部抜けてしまいそうなので、1つ1つ整理しながら、ゆっくり噛みしめようと思ってます。




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