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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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新展開-7

 ヘリコプターが宙に舞うとマシンガンによる発砲が止まる。それを見てすぐさま拳銃の銃口を向けた若菜だが、その時であった。体が浮く程の衝撃に体勢を崩す。
 「ま、マズいわ!」
吉川は何が起こったのか状況を把握できていなかったが、若菜にはそれが爆弾による爆発だとすぐに分かった。若菜の足元からは何度も何度も爆発音が響き体が揺らされた。
 「な、何スか、これ!」
 「爆弾よ。ビルを崩壊させるつもりね。真田竜彦を連れ去った時と同じ…、サーガの逃走時の常用手段のようね。」
割と冷静な若菜が信じられなかった。ビル崩壊となれば恐らく命はないだろう。正直、吉川は足が竦んで動かなかった。
 その時、吉川と若菜が心配になり現場に到着したさとみの姿があった。ビルに入ろうとした瞬間に連続的な爆発が起こり、驚き慌ててビルから離れた。爆発は止まらなかった。非現実的な光景に震えが止まらない。爆発による振動と爆風に離れたビルの影から見つめる事しか出来なかった。
 「吉川くん…!」
もしビル内にいたならば命は絶望的だ。ビルは早くも黒煙をあげ火に包まれていた。呆然と見つめるさとみの視界に飛び立つヘリコプターが見えた。そのヘリコプターに乗っていてくれれば…、そう願った瞬間、物凄い音と地響きとともにビルが崩れ出した。
 「い、嫌ぁっっ!」
さとみは涙を浮かべながら手で口を多い絶望感に包まれた。
 ビル崩壊による砂煙がさとみを襲う。さとみはうずくまり顔を襲う。砂煙の波が通過し埃が立ち込める。その先にはもはやビルの姿は消滅していた。張り裂けんばかりの胸の鼓動とは連動するかのように頭の中は混乱していた。
 「そ、そんな…」
もしかしてビルにいなかったかも知れない、もしかして難を逃れて脱出出来たかも知れない…、自然と最悪の事態を考える事を避けていた。しかしその根底には最悪な事態を強く予感しながら砂煙の先にある元ビルを一点に見つめていた。
 その時だった。信じられない光景を見た。元ビルの屋上があった辺りに、何と宙を浮く何かを見つけた。
 「そ、そっか…!上原さんは…」
そう、日頃から宙に浮く超能力を見せ付けている事を思い出した。その若菜にしがみつくように体に抱き付く吉川の姿が見えた。その光景にさとみは脱力し地面にへたり込んだ。
 「無駄な能力、けっこう役に立つんですね…」
 「はっ?無駄とは何よ?振り落とされたいの?」
 「い、いえ、すみません…!ホント、素晴らしい能力っす!」
 「でしょ?」
まるでスーパーマンのようであった。幸運にもビル崩壊に目を奪われていた通行人には若菜が宙を舞っている姿を目撃される事はなかった。当の若菜は全てのギャラリーが自分の雄姿を見てくれていると信じ意気揚々に地上に向かって舞い降りて来た。そして無事着陸。吉川は地面にへたり込んだ。
 「もう何が何だかわかんねーっス!」
吉川は目を閉じたまま天を仰ぎながらそう吐き出した。


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