投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

ヒューマン・ロール・プレイの最初へ ヒューマン・ロール・プレイ 94 ヒューマン・ロール・プレイ 96 ヒューマン・ロール・プレイの最後へ

〜 情報その3 〜-4

 ……近代娼婦の例は他にもいくらでもあります。 フィリピンのジュースバー、ドイツのFKK、ロシアのサウナ――1つ1つ挙げればきりがありません。 先輩のサイトはそういった項目も事細かに描写していました。 風俗になじみがなかった私にも、そういう文化があったことは何となく理解できました。 何となくですが、学園で私たちが行っている作法と過去の娼婦が歩んだ過程には、そこはかとなく通じるところがある気がします。 それが何かは上手くいえないですけど、

 『両者ともに【女性の価値を性に限定】することで、それ以外の価値を黙殺してしまって、そのせいで一番大事なものを無くし、【女性の価値自体を無に】してしまった』

 ような……。

 わ、ちょっと偉そうですね、私。 何言ってるのか自分でもよく分かってないんですけどね。

 自分を売り物にする最古の職業、娼婦。 はっきりいって、こんな職業が成立したこと自体、私には意味がわかりません。 仮に私たちが古代にタイムスリップできるとすれば、全員即決で娼婦になることを希望すると思います。 娼婦という職業が雌にとって最古なワケは、娼婦がとてつもなく牝の本性に合致しているからでしょう。 それだのに、娼婦を卑しいもの、恥ずかしいものと考えてしまった旧世紀のせいで、現在娼婦という職業は存在しえません。 殿方も、性交に対価を求めた牝を許してはくれないでしょうし、娼婦は金輪際存在を認めて貰えないと確信します。 すべての牝が誠心誠意殿方のお情け、つまりセックスを懇願しつつ、ほんの一握だけが一夜の情けを頂戴できるのが現代の性を取り巻く現実なんです。

 紆余曲折を経て、私たちのオマンコは、昔は神聖な価値を認めて貰えたけれど、現代ではただの有機物に分類されるようになりました。 この事実は、現代を生きる私たちにとり、素直に受け止めるには重たすぎます。 
  
 HPの最後には『ギルガメッシュ叙事詩』から、最古の性交描写が抜粋してありました。

『腰巻を解いて、両の脚を開くと、彼は女の魅力に耐えられなくなった。 彼女はためらわず、彼の情熱を受け入れた。 彼女は衣を脱ぎ、彼は女の上に臥した。 彼女は粗野な男に女の手管をすべて使った。 彼の激情はそんな彼女に存分に答えた』

 そして、この文章に対して先輩が載せたコメントが意味深でした。

『純粋な性行為は、関わる全てを幸福にする。 打算が全てを覆す。 幸福な時代には戻れない』

 幸福な時代――どんな形であれ、殿方が女性に価値を置いてくれていた時代のことだと思います。 つまり、旧世紀から旧人まで遡る、一連の有史の時の流れです。 確かに幸福の片鱗が、罪深い娼婦が赦された時代には、チラチラと見え隠れする気がしました。 

 そもそも殿方に相手をしていただくこと自体が光栄の極みであり、牝の脂肪が詰まった肉体に価値なんてないのに、高貴な御ペニス様を挿入していただいた上にお金を取ろうだなんて、盗人猛々しいとしか言えません。 振り返ってみて、私たちなんて、いくら頑張ってみたところで殿方から一顧だにして頂けないんです。 旧世紀の女性と私たちを比べること自体ナンセンスですが……それでも私の目じりは、いつの間にか浮かんだ涙で濡らしちゃいました。 別に哀しいわけじゃないんです。 ただなんとなく、ウルってしちゃう時ってありますよね?

 そういうことです。
 
 ……そういうことに、しといてください。


ヒューマン・ロール・プレイの最初へ ヒューマン・ロール・プレイ 94 ヒューマン・ロール・プレイ 96 ヒューマン・ロール・プレイの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前