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契約
【SM 官能小説】

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体験取材-1

江戸時代の沙汰を待つ罪人の如く彼の面前に悠然と腰掛けた彼女の両の手が、縄で区切られた、彼の上半身へと伸び、その表皮を巡回しだした。縄によって張り出された肌は常以上の感度を持ち、彼女の滑らかな指先・手のひらが表面をなぞる度に彼は息を漏らす事となった。
暫くはあてどもなく彷徨っていた両の手は、次第に狙いを明確にし、彼の胸先を掴むに至った。
「あぁっ!!」
刹那、快楽とも苦痛とが綯い交ぜになった衝撃が彼の身体を走り、大きな声を上げさせた。
忙しいのは上半身だけではなかった。彼女の美しい脚が彼の両足の間に差し込まれ、大いに彼の息を弾ませ、悲鳴を上げさせる事となった。
彼自身がすりあげられ、また無防備な後ろに硬い爪先がねじ込まれるに至っては脳髄から甘い感覚が溶け出すのを彼は感じた。

…酩酊の時間を彷徨った後、
「あぁ、私が、私が間違っていました。あなたの仰る通り、心理の理解が足りていなかったようです。」
痛みか快楽か、それとも それらが綯い交ぜになった混沌にか、ついに彼の張りつめていた糸は切られてしまったようだ。
堰を切ったように、彼は心の内奥に溜めていた想いを吐露していった。
自らの誤った驕りを詫び、間違いなく優秀な編集者に出会えた喜びに彼は満ちていた。


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