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愛すべき彼女と肉塊
【学園物 官能小説】

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Runa:「虚心坦壊(懐)」-11

私は毛布の中にくるまっていたので、誰が来たのかは分からない。

「瑠奈、どうしたの…布団にくるまっちゃって。」

「…。」

勇樹がベッドに腰を掛けたらしく、私の腰の辺りが少しだけ沈む。

「おーい、眠いの?」

勇樹が私の体を揺すってくる。

「大丈夫だよ…。」

「どうしちゃったの?」

何やらベッドが軋んでいるのが伝わる。勇樹がベッドに横になったような感じだった。

と思った瞬間、被っていた毛布を勇樹に剥ぎ取られてしまった。

なんと、勇樹は私に跨っていた。

「はっ…あっ…」

勇樹と目が合って、心を覗かれているような気分になって思わず声を出してしまう。

「えっ…何その反応。」

「なんでもないって…。」

勇樹は鋭い視線で私の瞳の中を覗きこむように見つめ、髪を撫でる。

「もしかして…前に家にきたこと思い出してた?」

図星過ぎて、私は唾液をゴクリと飲み込んでしまう。その問いには、はっきり答えられず、私は目を不自然に反らしてしまった。

「…当たりなんだ。可愛いなぁ、本当に。」

私が分かりやすいのか、勇樹がそういうことに勘が鋭いのか、どちらかは分からなかったが、自分を容易く見透かされてしまった恥ずかしさから、胸から顔にかけて体温が上がってくるのを感じた。

そんな私の羞恥心を一滴も残さず、飲み干すように勇樹はキスをする。

あぁ…。心が落ち着く。

恥ずかしさの余り身を焦がすほど体温が上昇してしまう私の体を鎮めるこの唇。

精神安定剤を体の隅々まで唾液と一緒に流し込まれているようで、ベッドへどんどん私の体は沈んでいく。

世の中の男性に、性欲が強すぎて軽蔑されたとしても。

勇樹ならきっとそれを全部受け入れてくれるとさえ感じる。

「勇樹っ!」

勇樹の唇を心から欲しくなった私は、勇樹の首を抱えるように抱きしめて再びキスをする。

「どうしたの?」

勇樹は嬉しそうに微笑む。

「呼んだだけだよ。」

「あ、そういうの嫌いじゃないかも。」

そう言って、勇樹は少しだけ私の胸を触る。

「はい、お茶持ってきたよ。」

私は体を起こして、勇樹から渡されたペットボトルを手に取る。

「ありがと。」

勇樹は私がペットボトルのキャップを開けて、口を付けるところを凝視していた。

「ねえ、待って。」

お茶を口の中に流し込む直前で、勇樹に動きを止められる。

勇樹は、私が空けたペットボトルをひったくり、

「こういうのはどう?」

と私が飲むはずだったお茶を飲む。

「え?」

勇樹の奇妙な行動に首を傾げる。

しかし、お茶は勇樹の喉を通ってはいなかった。

口の中にお茶を含んだまま、勇樹は近づいてくる。

「ちょ、ちょっと…。」

勇樹が何をしようとしているのか、私は分かってしまった。

勇樹は何も言わない、というより言えない状態で私の口をこじ開けるように唇を重ねる。

「んんっ!」

勇樹は溢さないように慎重に口を開いて、私の口の中にお茶を流し込む。

それでも、口の端から冷たいお茶が流れて胸に伝う。

勇樹のお茶を拒む訳にもいかず、私は流れ込んでくるお茶を喉へと送り込む。

勇樹の舌の感触と、少しだけ温くなった緑茶。

喉に残っている精子も少しだけ流し込めた気がする。

「へへっ…口移し!やってみたかったんだ〜。」

お茶を全て流し込み終わった後で、口を拭いながら勇樹は笑っている。

「やってみたかったんだ〜じゃないでしょ。いきなり何するのかと思った。」

まぁ、別に不快感とかはなかったけど。

「これ、意外と癖になるかも…。ハイもう一回。」

勇樹は私の話を全く聞かず、また口いっぱいにお茶を頬張る。

「ちょっと!話聞いてる!?あっ…」

勇樹は鼻で楽しく笑いながら、また私の口に緑茶を流し込む。

変なことをされているという自覚はあったが、汚いとかそういうことは思わなかった。

勇樹の口から注がれる緑茶は、心なしか少し甘味を感じる。

「こうすれば、二人でわけられるからいいかもね。」

どうやら、私の口に運びながら勇樹自身も緑茶を飲んでいたようだった。

「ホント、変なばっかして。」

きっと、こうこう変態っぽいことは全部私で試してるんだろうなぁ、なんて思ってしまう。

「いやだった…?」

「別に今更そんなこと思ったりしないよ?」

喉の不快感も、かなり軽減されてすっかりそのことを忘れていたくらいになっていた。



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