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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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再び、青森へ…-8

「良い景色ー♪」

絶景に名湯、ほんと温泉って贅沢だわ。

「私はもう彼に連れてってもらったから大して思いないけど、いい湯よね。」

誰も居ない露天風呂に先輩がゆっくりと入ってくる。

「先輩…。」
「柊、さん、御免なさいね。」
「え?」

突然謝りだす先輩、何?

「私はあの時貴女に酷い事を言ってしまったわ。」
「……。」
「そんなつもりはなかった、と言えば嘘になるけど、私ったらすぐに見境がなくなって、
柊さんの気持ちを踏みにじって。」
「良いですよ、それはもう。」
「柊、さん。」

今の彼女に前までの敵意は感じない、そもそも嫌いな人と一緒の温泉を浸かるのも可笑しい、気づけば私の横に居る彼女。

「それより先輩には感謝しますよ。」
「それって…。」
「あの時は横取りしないでって思ったけど今はとても感謝しています、彼は今も何かと
忙しい…、そんな時に色々と手助けをしてくれて。」
「良いのよ、私が好きでやってるだけだから、好かれなくたって良い、ただ佐伯君が幸せになってくれればそれで。」

その思いはまさに風馬君と同じだ。

「精神的にも支えてくれて、彼も助かってると思います。」
「そうね、でも彼は。」
「大丈夫ですよ。」
「へっ?」
「思いはきっと届きますよ、私が彼を想うように…。」
「……。」
「ねっ!?」

勇気づけるように先輩の肩に触れる。

「うん、そうね…ありがとう。」

次の部活動が楽しみだ。


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