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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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離れていく二人-2

「まぁ、バスケットゴールを、その貴方のお兄さんが?」
「あぁ、特に誕生日って訳じゃないけど急に買って来てくれて、大家さんに一言掛けて近くに設置して。」
「…きっと喧嘩して心配掛けたお詫びじゃない?」
「そっかなぁー。」
「そうだよ、怒って殴ったんだし。」

私は今彼と肩を並べ、街を歩いている。姉と外食した後駅まで行って帰ろうとしたら偶然
佐伯君と会い…、何て言えば嘘になる、食事は本当だけどその後学校へ寄った、彼の転校先の、そして彼の姿を探して…。

「学校、どう?」
「良い感じだよ、向こうでもモテちゃって…参ったな。」

彼が、こんな私と普通に接してくれてる、私は貴方にフラれ貴方の今の好きな人を傷つけた悪い女なのに。

彼がお兄さんに殴られて落ち込んだ時に優しく接したのか決めてか…いやいや私は別にそんな邪な気持ちは、ただ彼が心配で。

「バスケ、かぁー私はそういうの興味ないけど。」
「俺がバスケを始めたきっかけって知ってる?」
「ううん、ひょっとしてそのお兄さんから?」
「惜しいっ!」
「えっ、じゃー。」
「親父だよ。」
「何ですって!」

彼の父親がとんでもなく駄目な大人で彼を苦しめている事は知って居る、でもそんな人が
彼をバスケの道に行かせるきっかけを与えるとか、にわかには信じられない。

「口開いたまんまだぞ。」
「あらら、御免あそばせ…だって、そりゃー私は直接会った訳じゃないけど。」

そういえばあの人は柊さんは会った事あるのよね。

「まぁー、皆嘘だって思うけど、でも。」
「?」
「あれはあれで昔は良い父親だったんだ、あれでも若い頃はバスケの全国大会にも出たみたいで、休みの日はよく二人で体育館に行って。」
「……。」
「それが母さんが死んで、仕事も上手く行かなくなって気づけば酒ばかり飲んで…。」
「佐伯、君。」
「皆はアイツを駄目な親って避難するのも分かる、でも、それでも俺にとっては。」
「…優しい、のね。」
「そんなんじゃ、親を大事に思う何て当然だろ。」

父親を語る彼、そんな彼の横顔は何処か清々しくも寂し気に見えた、自分を散々苦しめて不自由な思いをさせつつもそんな親を見捨てない、私はそんな優しい彼が好きだった。

「なぁーんて、早乙女先輩に言ってもしゃーないか。」

ニカッと無邪気にほほ笑む彼、彼のその言葉に以前学校で伊吹さんに言われた事を思い出した。

「…彼女とは、どう?」
「えっ?」

勇気を振り絞って聞いて見た。

「どうって、そりゃー。」
「………。」

真剣に聞く耳を立てる、鈍感な所も変わってないなぁー。彼は何かを思い返し。

「電話、してるの?」
「ん、まぁーな、でも最近はしてない。」
「どうして?」
「ちょっと、なっ…たまーにお節介なんだよなー。」

何?今喧嘩してるの?…これってチャンスじゃ。

「まぁ話していればたまにそんな事もあるよ、それだって貴方の事を思って。」
「あぁ、ちょっと言い過ぎなかな、今度謝っとこ。」
「……でも、電話越しだけじゃー伝わらない事って結構多いよね?」
「そうかぁー?俺は結構楽しいぞ。」
「私、青森にお姉ちゃんが居て、今日も食事しに行ったんだ。」
「?さっき言ったろ、声掛けた後に。」
「だ、だからもしまた彼女と喧嘩したり今の家で困った事があったら、何時でも頼って!力になるからっ!」
「……あ、ありがとう…でも、青森に何てたまに行くんだろ?先輩今も柊さんと同じ学校に居る訳だし。」

まぁ、そうだけど…、その言い方はまるで避けられているような、もっと攻めたい…でも
だからってメアド交換したりするのはちょっと。

そして彼はお兄さん達の居る家へ走り去って行った。

私は、どうしたいんだろう。


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