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父の温もり
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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父の温もり(楽屋話1)-1

《greenroom talk〜楽屋話》

「どうでしたか? ケンジさん」修平が不必要にはしゃぎながら言った。
 ソファに座ってコーヒーを飲んでいたケンジは、真っ赤になって言葉を発することができないでいた。
 ケンジの隣に座ったミカが、ニコニコしながらコーヒーカップを傾けた。
「夏輝はうちのケンジとこういうことしたかったんだ」

「しゅ、修平君は平気だったのか?」ケンジがようやく口を開いた。「君は夏輝ちゃんにいわば浮気されたんだぞ?」
「いや、このシナリオ、俺が書いたんです」
「ええっ?! 神父尊さんじゃなかったのか?」
「夏輝はケンジさんに抱かれるのが夢だったんすから。言ってませんでしたっけか?」
「あれを本気にするわけないだろ」ケンジはまた頬を赤らめた。

 ミカが言った。
「だけどさ、修平はかなり嫉妬深いんだろ? 夏輝」
「はい。あたしが誰かと話してたりすると『誰だったんだ? あいつ』。男の人と電話してても『誰だったんだ? 今の』。もう大変」
「なのに、なんでこんなことさせるかな」ケンジが眉間に皺を寄せて修平を睨み付けた。「僕は君に殺されたくはないぞ」
「じ、実は……」修平がもじもじしながら言った。「俺、昔から夏輝がケンジさんとセックスしてるの想像して、むちゃくちゃ興奮してたんです」
「はあ?」ケンジは大声を出した。「それって、僕に寝取られてるってことじゃないか。それに興奮するっていうのか?」
「はい。もちろんケンジさん限定なんすけど」
「他のオトコじゃだめなんだね?」ミカが言った。
「他のヤツが夏輝とヤったりしたら、俺、速攻でそいつの息の根を止めます」
「こ、怖いな……」ケンジがカップを口に運んだ。

「とか何とか言ってますけど、こないだからあたし龍くんともやったし、ケンちゃんにも抱かれたし、許容範囲は少し広がりましたね」
「読者からのリクエストもあったしな。しかも、俺も真雪や春菜を抱かせてもらったし……」修平はぽりぽりと頭を掻いて赤面した。「だけど、龍とやってる夏輝もケンタに抱かれてる夏輝も、どっちもすっごく、なんて言うか、こう色っぽくて、見てて純粋に興奮できたっすね」
「そんなものなんだ……」ケンジが少し意外そうな顔をした。
「だって、龍もケンタもケンジさんにそっくりじゃないっすか。見た目もだけど、雰囲気も、何となく」
「なるほどね」ミカが笑った。「わかるわかる」
「それに、君たちは夫婦もろとも超仲良しだからね。」神父尊がコーヒー片手に微笑んだ。

「でも、ケンジさんとは、以前から夏輝と是非ヤって欲しかったんです」
「おいおい! 露骨だぞ。何だよ『ヤってほしかった』って」ケンジは噴き出しそうになったコーヒーを慌てて飲み込んだ。
「夏輝とケンジが繋がってるとこモニターで見ながら、こいつ」ミカが修平を横目で見ながら言った。「我慢できずに二回ぐらいヌいたみたいだよ」
「さ、三回っす……」修平が縮こまって言った。
「ほんとに?」夏輝が言った。
 修平は赤い顔を上げた。「だ、だってすんげー興奮しちまったんだ……」
「まったく……」ケンジは呆れたような、申し訳ないような複雑な顔をしてカップを口に運んだ。

「思えば、」修平が遠い目をして言った。「俺と夏輝があなたがたに性の手ほどきをプールで受けた時、」
「手ほどいてないだろ! ミカとのシーンを見せただけだったじゃないか」
 修平は遠い目をしたまま言った。「はい。そうです。その時、俺、ケンジさんの姿に惚れちまって……っていうか、ケンジさんのハダカやセックスのスタイルに感激しちまって、同時にケンジさんに夏輝が抱かれてるところも想像しちゃって……。でも俺、ミカさんも同じように抱きたくなっちゃって、俺とケンジさんをダブらせて見てたら、その、あの、ええい! もう何言ってるかわかんねーっ!」
 修平は頭を掻きむしった。
「つまり、」ミカがおかしそうに言った。「修平はあたしも抱きたいと思っているけど、ケンジに夏輝が抱かれるのにも萌えるっていうわけなんだね?」
「端的に言えばそうです。相手限定寝取られ願望ってやつです」修平はほんのりと頬を赤く染めて続けた。「お、俺自身、ケンジさんに抱かれたいぐらいっす」

 ぶーっ! ケンジは盛大にコーヒーを噴いた。


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