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恋人宣言
【女性向け 官能小説】

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-5

お昼すぎに帰社してみれば、すっかり噂は広まっていて。
私が出掛けた後に、直哉は

「ということで、俺は部署を異動しますけど。
伊藤葵は俺の彼女ですから。よろしく」

と、怖いぐらいの笑顔で、部の男性陣にしっかりと宣言したらしい。

「そのぐらいにしとけ」
と、止めてくれた森川課長代理は直哉が異動願いを出すときに
私たちのことは報告したらしい。

直哉が宣言のように言ったその一言も、私以上に社員は知っていて
さらに尾ひれもついて、社内メールはうんざりするほどの数だった。
仕事のメールと噂の真相を確かめたいメールと
自然とフォルダ分けされればいいのに・・・

真実ちゃんも
「神戸の三浦さんにも社内メールしましたよ」
と、興奮していた。

フランスのすみれからは
「究極の『遠距離』なんだってぇ〜?真樹に聞いたわ」
と、ハート付きのメールが来て。

神戸の三浦さんからは
「ばれてんて?」
その一言だけのメールが来た。
三浦さんが可笑しそうに笑っている顔が目に浮かぶ。

その日は仕事にならないほどに大騒ぎだった。

あからさまに恋人宣言した直哉はとっても上機嫌で
「これで企画でやり残したことはないな」
と、笑った。

そりゃぁ、ここまでやれば思い残すことはないでしょうよ。
私は、このままこの部で仕事をするんですけどねっ!




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