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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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今は、かけがえのない一時を-6

「見たいの?」

「はい。お願いします」

陽子の目を真っ直ぐに見つめ返した優子は頼んだ。

陽子はテーブルの上に置いたスマートフォンを手にすると、昨日見ていた画像を開いて優子に差し出した。それを手にした優子が、恐る恐るその画像に目を落とした。画像の中の見知らぬ女が優子に優しく微笑みかけていた。

「綺麗な人…」

かつて、いや今も星司が愛し続ける女の顔を見て、優子はとても敵わないと思った。

「綺麗だったよ。外見だけじゃなくて、心の中も純粋で綺麗な子だったわ」

「そうですね、星司さんが、惹かれるのがわかる気がします」

優子が画像を見ながら寂しそうにつぶやいた。

「貸して」

そんな優子から陽子はスマートフォンを取り返すと、手早く操作して違う画像を開いてみせた。

「これは?」

優子が覗き込んだ画像には、数人の男女が写っていた。

「これは、あたしが大学の4年生の時の画像、高校生の雄ちゃんが全国大会で優勝したときの写真よ。4人が一緒に写っているのはこれしかないの」

優勝杯を手にした雄一を中心に、前列に5人の高校生が銘々にポーズを決めながら座り、後ろに星司を挟んで陽子と悠子が楽しそうに笑っていた。

「うわあ、星司さんも陽子さんも初々しい。これ、手島さんでしょ。あはは、生意気そうな顔してるう。武道をやってたからあんなに強いのね」

楽しそうに画像を見ていた優子だったが、4人以外に一緒に映る男達に目を向けると、ハッとした表情を浮かべた。

「あれっ?この人達って…」

「うふふ、気付いた?この中の2人が【痴漢専用『特別』車両】で優子ちゃんとセックスした子よ。他の2人にも見覚えがあるでしょ」

「うわっ、本当だ!宮本さんに田川さん、それと乾さんと吉田さんだ」

優子が【痴漢専用『特別』車両】と称したワンボックスカー、その狭い車内で抱かれた宮本と田川、それとプレイヤーとして本体の車両で抱かれた乾と吉田の名前を上げて驚いた。

「みんな、星司を慕ってくれているのよ」

全国大会の時に、星司にやり込められた有段者達は、その時以降、星司に傾倒していて、今でもその関係性は継続されていた。

当初、陽子は宮本達の参加は考えていなかった。それが星司のことを知り、そのことで雄一が何かを始めようとしていることに気付いた宮本達が、雄一に迫って復讐のことを聞きだしたのだ。雄一のやろうとしていることが犯罪だと理解したが、宮本達は躊躇しなかった。

まさかその延長線で、陽子を含めて複数の女とセックスが出来るとは思ってもいなかったが、それは事後に発生したことで、セックスを褒美に釣られているわけではなかった。

「みんな、楽しそう…」

しばらく楽しげに見ていた優子が、ふとあることに気付いた。

「陽子さん、あたしにこの画像下さい」

優子は陽子にスマートフォンを差し出しながら、新たな頼みごとを口にした。

「へっ?どうして?優子ちゃんが持ってても意味ないでしょ」

「だって、あたし、ここに写ってる男の人達と、全員関係を持ってるんですよ。画像を持つ権利あるでしょ」

当然とばかりに優子は言った。その観点から言えば、星司と肉体関係のない陽子より、優子の方が関係性が強い。そう思いはするが、すんなりと渡すのも癪に障った。

「まあ、上げてもいいけど、その前に昨日、どうしてたか教えなさいよ。心配してたんだからね」

陽子は当然のように条件を付けた。

「え〜、昨日のことですか〜。そんなに大したことじゃないんですけど」

「大したことなくても言いなさい」

優子としては、もう少し引っ張りたかったが仕方がなかった。

「わかりました。教えます」

そう言った優子は、愛用のバッグからスマートフォンを取り出して操作を始めた。何かの画像を開いて、にんまりと微笑んだ後、画面を下に伏せてそれを陽子に差し出した。



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