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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
【フェチ/マニア 官能小説】

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キャスティング-3



「ねえ、聖夜」

「何?」

「あたし今度、化粧品のCMが決まったの」

駐車場を歩く俺の後を着いてきながら舞花が話し掛けてくる。


「よかったね、おめでとう。あと、それと…」


“呼び捨てするな──”


「…それ、と──……」



一度言い争いして晶さんに言われた言葉を思い出した。


あれは結構傷付く…


だから舞花に言うのは気が引ける。

「やっぱいいや…」

「……?」


午前中の仕事を終えて楠木さんが運転する車に俺も舞花も乗り込んでいた。


まだマネージャーの付かない舞花は今朝、社長に局まで送って来てもらったようだ。

「社長は事務所?」

俺は楠木さんに尋ねた。

「ああ、用事があるとかで出掛けた筈──」

「なる」

それだけ聞くと、俺はなるべく舞花と接触しないようにシートに身を沈め、寝た振りを決めた。


色目を使ってくる女は大体気配でわかる──

社長の“経験は肥やし!”その受け売りで据え膳食わぬわ……を実践して今まで気軽に手を出してきたけど……


もう用はないから…


無駄な色恋に時間を割く暇は俺にはない──


悪いけど名前を売りたいなら他の事務所の男にあたって欲しい。


あとで社長にそのことも話付けないとな…。

まだ何かを言いたげな目線の舞花から顔を反らして俺は目を閉じた。




昼を迎えた店内は慌ただしくなりつつあった──

立て続けにドアの開閉を知らせる鐘の音がカラン、コロンと鳴り続ける。

「いらっしゃいませ。こちらのお席へどうぞっ」

稼ぎ時の昼だ。一人の客はなるべく一人用の席へと案内しながらあたしは忙しく動き回っていた。


なんだかお尻がスカスカするっ…

素足も露に颯爽と歩き回る脚が風を切る。


冗談だと思っていたマスターの提案。

店のユニホームは八月一日(いっぴ)からデニムのミニスカートに変わっていた。

とりあえずスカートに気を取られている暇はない。席に案内しながらの水の提供にメニュー取りと、流れを掴みながらホールを廻していく。

「すみません。一人なんでカウンターいいですか?」

然り気無く着崩したサマージャケットが、だらしなさよりもお洒落に見せてくれるのは持って生まれたセンスの良さでもあるのだろう…


「あれ?健兄っ…」

ちょい悪風の髭ダンディ。二、三度だけ来たことのある和らぎに叔父の健兄は久し振りに顔を見せた。



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