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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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彼の居場所-4

曇っていた空が一気に晴れたように、壁にぶち当たり悩んでいた私たちをあざ笑うように
そんな問題は消え失せた。

「いやー、買ったなぁー。」
「もぅー佐伯君ったらお肉ばっかり。」
「へへっ、良いだろボリューム満点。」
「育ちざかり何ですから、きちんとお野菜も食べないと。」

二度目の掃除と買い出し、本当に出来て感激だ。

「…こうしてみると俺ら、新婚さんみたいだな。」
「えっ?」

新婚って、そんな、まだ私達。

「んもぅーからかわないで下さいよぉー。」
「いやいや、でも、いつかそう遠くない未来に、本当にさ…。」
「佐伯…君。」

確かに、このまま行けば高校卒業して、それから…。

「寒くない?」
「そうですね、早いとこ家に戻りましょうあの清潔な家に。」

部屋をキレイにして、充実した食材の数々を補強…、あぁ考えただけで幸せだ。

それから私たちは家へ着き、食材を冷蔵庫に収め、他にも便座カバーを付けたりテーブルにお花を飾ったり調理道具も収めたりと、他にも便利グッツをいくつか買って。本当に
楽しい!この充実感ハンパないわ、湿気たゴミ屋敷が息を吹き返したように明るくなって
一条君が後で部屋を見たいと言っていた、前のゴミ屋敷と今のこの部屋と比べてリフォー
アクターの如く見比べてみたいそうだ、完全に見世物。

前だったらあの駄目親がこの部屋をほぼ一瞬で元のゴミ屋敷に変貌させてたけど…。あれから一条君の親が佐伯君を我が家に養子にする事は出来ないけど、あのバカ親を息子で
ある佐伯君を引き離す方法を提示してくれたのだ、あの親に問題がある事を警察役所に
伝え、親としての資格がない事が判明し、今後彼に近づかないようにしてくれて。

これで彼の生活を邪魔する者は居なく、今後も掃除に買い物を付き合い、たまに一条君の
家へ行き、何か困った事があれば私達がいつでも。

「やっと人並に普通な生活が出来ますね。」
「あぁ、君のお陰だよ、本当にありがとう。」

私は寝室に行き、目覚まし時計を置きに行く…、一体どれだけ生活力がなかったんだろ。

「あっ、佐伯君!三角コーナー置いといた?」
「…うん。」
「掃除や買い物、楽しかったけど…これからは君一人で行ってもいいんだよ。」
「でも、まだまだ至らない所も多いよ。」
「それでも。」
「このまま、ずっと掃除に買い出し…一緒にやってくれないかな…。」
「えっ?どうして?」
「何でって、そりゃー。」

そう言うと彼は私に急接近し、肩を両手で掴み、布団にそのまま押し倒し。

「佐伯、君。」
「君と居たいからだよ…。」
「!!」

新婚さんみたいだ…、彼は本気で言っていたんだ。

「柊、さん。」
「………。」
「高校を卒業して、ある程度落ち着いて収入や職についたら、君を迎えに行く!」
「佐伯、君。」
「そしたらまたこうして掃除や買い出しをしよう、今度は単なる付き合いで要件が済んだら帰るのでなく、夫婦として、だからその時がきたら…。」
「……。」


             俺の、家族になってくれっ!


「!!」
「………。」


佐伯、君の。

「うん。」

そう頷くと彼は私の両腕を掴み、熱いキスをする。

大好きよ、あたる君…


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