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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
【フェチ/マニア 官能小説】

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喫茶「和らぎ」-5

何やら話し込む夏希ちゃんと楠木さんの席にあたしは注文の品を置く。

「ありがとう。……バイト忙しい?」

「ぼちぼちです」

何気に楠木さんから質問されてあたしは普通に返した。

叔父宅で会う度に思うけど毎回この人のあたしを見る目が気になる。

ふと夏希ちゃんを向くと、夏希ちゃんはブルマンの薫りを目を閉じて確かめていた。

夏希ちゃんは、あたし達二人の関係をまだ楠木さんには話していない様だ。

事務所のこともあるし、あたしがバレたら困るなんて言ったからか、楠木さんにも内緒なのは当然か…

「晶さんて22だったよね、歳…」

「はい…?……22ですが──」

なんなんだ?

疑問を浮かべながら答えると楠木さんはありがとう、と一言だけ返した。

状況が読めず然り気無く夏希ちゃんに視線を流しても夏希ちゃんはあくまで興味ない素振りだ。

あたしは伝票を置くとそのまま席を下がった。



「静かで落ち着くけど活気のある店だな… 社長から聞いた?」

そう、確かにこの店は生(活)きてる──

店内をぐるっと見回して、晶さんの後ろ姿に目をやる楠木さんの言葉に俺も頷いた。

「うん。初めて着たけど確かにいいお店だね」

注文を取りにきた晶さんを見る楠木さんの目が少し気にかかって、まさかと怪しんだけど年齢を確認してやっぱりと俺は思った…


楠木さんは俺のマネジャーになる前は腕利きのスカウトマンだった。

なんだか嫌な予感がする…

先々の不安を考える。


「あの子いいと思わない」

「別に…」

何気にそう聞いてくる楠木さんに俺はコーヒーを見つめながらそう返した。

「いや…あの中性的な容貌はウケる。…男の中性は今は溢れてるけど女のあのタイプはまだ出てきてない──世間が今、求めてるタイプだ。22ならまだイケル…社長の家で会う度に毎回思うんだけどなんでうち(事務所)に入れないかな?不思議でしょうがない…」


見る目のない社長のセンスじゃしょうがない。俺はコーヒーを口に含んでカップを置いた。

「俺の仕事の話じゃなかった?」

嫌な予感的中ってやつだ──

俺は話を無理矢理、自分に持っていった。

「ああ、社長の家に居るんだって?」

「うん」

「住み心地はどうだ?」

「ああ、居候だけど何気に快適」

しかも最高。

そしてめちゃくちゃ幸せ──


だから壊さないで欲しい。

俺はそれを切実に願う。




冷静に考えて見ればスカウト歴20年の楠木さんが獲物を見逃す理由はなく──

飾らぬ素材のままで人目を惹き付けてしまう晶さんを楠木さんが気に掛けるのは当然のことだ。

それは一目惚れした俺自身が確信していた筈なのに──。


俺の愛した人は間違いなく天然のダイヤモンド──



でも磨かなくていい


これ以上輝く必要も

人目に晒される必要もない

ひっそりと

他の誰の手垢も付かず俺の傍でただひっそりと輝き続けてくれさえいれば…


「まいったな…」

「ん?」

頭を抱えてテーブルのコーヒーと向かい合った俺の呟きに楠木さんが反応する。

気が狂いそうなほど愛し始めてる人なんだ──




だから誰も獲らないでいて欲しい──


“ここを出ても毎日くるからっ…”

あの時は晶さんを手離したくなくて必死でしがみついてそう言ったけど、毎日なんて到底無理な話。


休暇を終えて仕事が始まってしまえば毎日どころかほんとに滅多に逢えなくなる。

理由もなく社長の家に行けばもちろん社長にもバレてしまうし。


「まいった……」

「……?」

再び同じ言葉を呟いて伏せる俺のつむじを楠木さんは見つめた。



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