投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

痴漢専用車両へようこその最初へ 痴漢専用車両へようこそ 220 痴漢専用車両へようこそ 222 痴漢専用車両へようこその最後へ

星司の帰国。そして…-2

「なんてことだ」

「そうだ、問題は能力に見合う精神が星司にあるかだ」

「もし無かった場合は…」

「ああ、俺やお前のような平凡な者なら一人だけ勝手に自滅して終わりだ。しかし、【卓越した者】の精神が崩壊は、各務家の者たちの精神を巻き込んでしまうだろうな」

月司が心配するように、各務家には壊滅的な打撃を受けていた実例が過去にあった。

「もし、星司の能力が過去の【卓越した者】よりも強ければ、直感的能力者以外にも影響は有るかもしれない」

伝承された実例では、直感能力に長けた者に影響を及ぼしたが、それ以外の者には影響が出なかったことが、血筋を残す上で幸いしたとされていた。しかし、今回の星司の急成長は一族全てを巻き込む可能性を、月司は危惧していた。

「どうしたらいいでしょうか」

「直ぐに帰国させて星司の様子を見てみたい。過去の例から見ても、急速な能力向上は得てしてろくな結果にはならないだろう」

月司の張りはさらに消え、少し疲れた表情を浮かべた。月司には珍しいことだった。

「留学をさせなければよかったのでしょうか」

「今更だ。あのときは、ここまで飛躍的に伸びるとは想像もしていなかった。ましてやそれが【卓越した者】並みになるなんてな。ただ、外の空気で星司の脆弱な精神が鍛えられると思っていた」

「あのときは、そう判断しても仕方がなかったでしょう。とにかく帰国の手配をさせます」

「安らぎを与える人が居ればな」

「全てを【癒す人】ですか」

各務家の伝承の中には、悲惨な事例以外にも、卓越者の暴走を留めた事例も記されていた。月司と陽司は、各務家を崩壊から救った伝承上の女性を思い浮かべた。

「母なるお夕。もしかして、星司のそれが姿を消した悠子さんだったりしてな」

「まさか」

月司のつぶやきを、陽司は直ぐに否定した。悠子の線の細さは【癒す人】のイメージに程遠かった。

この後、月司自身が留学先に行くことも検討もされたが、星司がその気ならば、それが無駄になることがわかり過ぎているので、実現はしていなかった。

幾度か帰国の指示を出したが、星司はのらりくらりと先延ばしをして、今、目の前にその姿を見るまでに1年が過ぎていた。

潜在的に直感的能力が低いといっても、陽司は各務家の当主として経験を重ねていた。相手を目の前にすれば、培われた観察力が直感を補い、その相手のことはおおよそ理解できた。

その陽司から見ても、1年半ぶりに目の前に立つ青年には、気の弱さや迷いなどは微塵も感じることができなかった。

一方、今の星司にとっては、陽司の思考を読むことは容易かった。しかし、各務家の者が普段の会話の中で、目上の者の心を探ることはしない。

特に当主に対してそのような行為をすることは、各務家の教育を叩き込まれて育った者にはあり得なかった。星司は自然体のまま、当主が自分を見つめるままに任せた。その間を当主の方が気になり始めた頃合いに、星司の方から声を掛けた。

「どうしました?」

肩の力を抜いて接する星司に、ようやく陽司の中から硬さが抜けた。

「いや、何でもない。とにかく今日はゆっくりするといい。お前に任す事業の引き継ぎは、明日から考えよう」

「わかりました。よろしくお願いします」

「母さんと陽子に顔を見せてやってくれ。特に陽子はお前のことを心配してたからな」

星司から帰国の連絡を受けた陽子は嬉々としていたが、その喜びが悠子と出会ってから雲散していた。その昨晩の陽子の沈んだ顔を思い浮かべながら、星司にそれを伝えた。

「わかってます。2人にも心配を掛け通しですからね」

「ああ、居なかった分、まとめて母孝行と姉孝行をしてやってくれ」

「はい」

では失礼しますと頭を下げた星司が部屋を出ると、隣接する控え室の扉が開いた。



痴漢専用車両へようこその最初へ 痴漢専用車両へようこそ 220 痴漢専用車両へようこそ 222 痴漢専用車両へようこその最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前