投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

unripe fruits
【学園物 官能小説】

unripe fruitsの最初へ unripe fruits 19 unripe fruits 21 unripe fruitsの最後へ

unripe fruits-9

だが次の瞬間、桜井の唇が俺の頬に触れた。


驚いて彼女を見ると、真っ赤な顔で目を泳がす照れた顔。


「……や、やめないで」


振り絞ったその声は、自信なさげに弱々しかったけれど、確かに彼女はそう言った。


そして黙り込む俺達。テレビの音声はすでに遠いものとなってしまった。


その沈黙を破ったのは、桜井の方だった。


「野々村……、こんなタイミングで告白したらやっぱりひく?」


「は?」


今、何つった?


俺の空耳かと桜井を見れば、彼女は相変わらず目を忙しなく泳がせつつ、


「あたし……野々村が好きなの」


と、さっきより少し大きな声でそう言った。


そして一瞬間を置いて。


「……はあああ!?」


俺の声が部屋中に響き渡るのだった。


思わず身体が仰け反って後ろに倒れそうになる。


驚愕で口をあんぐり開けたまま固まっている俺を、彼女は軽く睨みつけた。


「そんな驚くことないでしょう!?」


「だって……お前……そんな素振り一つも……」



だって、あの桜井が。


ダサくて恋愛からかけ離れたガリ勉で、不真面目な俺にいつも突っかかるウザい桜井が、俺を好き!?


しどろもどろになってある俺に、呆れたようにため息を吐く桜井。


癖なのか、おさげの毛先をいじりながら下唇を突き出してむくれる彼女は、いつもの小憎たらしい桜井そのものに戻っていた。


だけど。


毛先を弄るその腕によって強調させられている谷間が。


白い肌に影を作って居る色っぽい鎖骨が。


くびれたウエストラインが。


そして、俺を見つめる潤んだ瞳が。


さっきの乱れた桜井の姿に重なって、もっともっと彼女を知りたいと単純に思った。


喧嘩ばかりして、どっちかというと嫌いな人種だったけど、それは桜井のほんの一部。


俺に突っかかるウザい桜井は、きっと未熟な果実のようなものだろう。


食べたらきっと青くて苦くて、だけどきっと、癖になる。


きっと桜井はそんな感じだ。






unripe fruitsの最初へ unripe fruits 19 unripe fruits 21 unripe fruitsの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前