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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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フレア代表下條高志-3

 若菜は初めて玩具を与えられた子供のように空中を彷徨う。完璧に力を操っている。自由自在に前へ横へ移動していた。
 「あなたは教祖にもなれるだろう…」
若菜はゆっくりと降下しスッと立ちながら答える。
 「止めてよ〜。教祖様なんかになりたくないし。」
 「たくさんの悩める人間の指標になれると言う事ですよ。あなたのようになりたくてあなたの元で修行したいという人間はきっとたくさん現れるはずです。」
 「私は刑事としてそういう存在になるべく毎日働いてます。それ以外には興味がない。」
 「…でしょうね。あなたは刑事として生きるべくして生まれたお方です。」
若菜はニコッと笑う。
 「ありがとう。」
そう言ってソファに座ると下條も対面してソファに座る。
 「それで今日はどんなご用件でこちらにいらしたのでしょうか?」
すっかり落ち着いて口を開く下條。若菜は下條の目をじっと見据えて答える。
 「ズバリ聞きます。あなたは深野浄京に戻って来て欲しいとお考えでしょうか?」
下條も若菜の目をじっと見つめて答える。
 「本音は戻って来て欲しい。あの方は素晴らしい方です。地下鉄サリン事件がらみの犯罪はあの方には全く関係のない事。あの方は責任を取る形で逮捕されたのです。あの方に救われた神信者はたくさんいます。今でも教祖を慕う信者はたくさんいます。もし戻って来てくれたならもっともっと多くの悩める人達が救われる事でしょう。しかし教祖が戻って来たら、その存在を悪用しようとしている信者達により教祖の名誉は傷つけられてしまう事でしょう。それに私はフレアとして新たな道を歩き始めています。教祖とは違う形で悩める人達を救おうと精進しております。教祖ももし刑務所を出たとしてもフレアには戻らないでしょう。教祖は二度と刑務所の外には出ないおつもりです。私は教祖の尊厳を保つ為に教祖の信念を尊重するつもりです。ですから教祖が刑務所から出る事は望んでおりません。」
きっぱりと言った下條に嘘をついてる様子はなかった。その話の中で若菜は気になる事があった。
 「教祖が出たらそれを悪用しようとしている信者がいるとおっしゃいましたよね?それはフレアの中で反逆分子がいるという事ですか?」
 「ええ。初めは志は一つの者ばかりでした。しかし信者が増える事により心の拠り所としてのみフレアに求める者ばかりではなくなりました。中には地下鉄サリン事件のような事件を起こし、それまで社会に冷遇されてきた鬱憤を晴らしたいと考える信者達が増えて行きました。私の知らない所である信者がそういう思考を持つ信者を取り込んで行き、今では私を信望してくれる信者の数を凌ぐ程になってしまいました。もはや私の手には負えません。しかし彼らもフレア。恥ずかしながら今、フレアは全くまとまりのない二つのグループに分かれてしまっているんです。」
 「…」
若菜は頭の中で下條の話を慎重にまとめながら聞いていた。


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