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あぁ...いやらしぃ 好色OL・絵美
【OL/お姉さん 官能小説】

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Deep Kiss & Surprise-1

 土曜日、通院リハビリに通うため、車のエンジンをかけた僕は、いつになくウキウキしていた。長かったリハビリも今日で終わり。治療もひとまず終了になる。もちろんそのことが嬉しいことではあるが、それ以上に嬉しいことが今日の午後に控えている。
 今週の月曜日・・・

「ねえねえ聞いてくれる!?」
 リハビリが終わり、いつもの待ち合わせ場所であるカフェで落ち合うなり絵美が問いかけてきた。
 出会ってからそんなに日にちが経っているわけではないが、お互いの距離はかなり近くなっていた。
 それは二人の会話の言葉遣いにも表れている。付き合い当初一日二日は、どことなく遠慮しお互いが敬語でぎこちない言葉のキャッチボールだったが、今では完全に友達言葉になっていた。悪く言うと、年上の慶一郎に対して絵美がタメ口で話しかけている。
 僕は、付き合っているのにタメ口にならない方がおかしいと思っている。かえってその方が自然だし、まったく気にはならなかった。

「またまたグッドニュースがあります」
 いつも以上にニコニコした笑顔で絵美が顔を近づけてきた。
「退院が決まったの?」
「そうだと嬉しいんだけど、もう少し入院は必要みたい」
「今日の夕飯、チキンのトマト煮込だ」
 この病院の食事の中でも人気の逸品が献立になっているのではないか!?
「だとイイんだけど、今日はブリの照り焼きですね・・・ってそうじゃなくて。外出許可もらえそうなんです」
「ええっ、マジ!?」
「マジですよぉ。やったね」
「良かったじゃん。家に帰るの久しぶりなんじゃないの?俺もそうだったけどホームシックていうか、家に帰りたくなる時けっこうあるよね?」
「・・・・・・」
 絵美に同意を求めたが何の反応もなく、冷たい視線が帰って来ただけだった。
「あのぉ、誘ってくれないんですか?」
 短い言葉だが、淡々と抑揚のない口調だった。
 僕は、その時点でようやく気付いた。絵美にとって「外出許可取得の報告=二人で外出」が大前提であったことを。
「あ、ゴメン」
「別に誘ってくれなくてもいいんですけど」
 ふくれっ面で横を向いてしまった。
 絵美とすれば、家に帰るなんてことはどうでもよく、ただひたすら慶一郎と一緒にいたいだけなのである。それも、このような公の場ではなく二人っきりにになれる場所で。
 絵美の自分に対する気持ちを汲み取れなかったことを、変に言い訳がましく取り繕っても仕方がない。ストレートに絵美の気持ちに応えよう。
「そういうことじゃなくて・・・よし、来週にどこかへ行こう。二人で」
「うん」
 絵美は素直に嬉しかった。特に二人でと言ってくれた事が。第三者も一緒になんてことはあり得ないことだけれども、それでもあえて『二人で』と強調してくれたことが何よりも嬉しかったのだ。
 僕も、絵美の笑顔が嬉しかった。笑顔の裏側にある『一緒にいたい』という意図が見えるだけに余計に嬉しい。
 まだまだ歩行やアクションに多少の不安があるけれど、絵美を支えてあげなくてはとも思った。
「歩くのがつらければ、出来るだけ負担掛からないようなところにするから」
「杖をつけば全然問題ないし、杖なしのリハビリも始められそうなくらいなの。軽い運動ぐらいだったら大丈夫なんじゃないかと思うんだけど・・・」
 その雰囲気を察してか、絵美の方から身体の現状を申し出てくれた。
 絵美はその一言に「抱かれても身体に負担はかからない」という意図も込めたつもりだったのだが、慶一郎はその意図を感じ取ってはいなかった。
 絵美の元彼は皆最初からカラダを求めてくることが多かった。若くてヤリタイ盛りと言ってしまえばそれまでだが、慶一郎のように落ち着いた感じでのお付き合いというものに慣れていない。そのような過去の経験から、どうしても『付き合う=SEX』という構図から抜けきれていないのである。
 僕としては、こと真剣な恋愛においては、カラダの関係になるまでには段階を踏んでいくものであると考えている。いきなりその日のうちに関係を結ぶという行為がどうしても軽く感じてしまう。
 今までにも会ったその日に男女関係になってしまったことは何度かある。後々思い返してみれば、それは本気でと言うよりも、お互いに遊びと言うか、その場のノリに近い感じでの情事であった。無論、長続きせず、早々に別れに至ることがほとんどだった。
 逆に、長く続いたケースはしっかりと恋愛感情を温め、お互いに相手をリスペクトする部分があり、SEXも信頼関係の上に成り立っていたような気がする。
 ただ今回の絵美との真剣恋愛は、それまでの感覚とは少し違うものだと感じていた。言葉で表すのはすごく難しいけれど、愛おしいが故に今にでも抱きたいと言う感情が芽生えてきている。

 絵美は、これから外出届を出すと言う。まだ外出承認が確定していたわけではなったが、絵美曰くまず間違いなくOKが出ると言っている。
「逆に、先生の方が気分転換もかねて、外に出た方がイイって言っているんだよ」
 そう自信満々に話している。
 慶一郎は、再来週の月曜日から出勤することになっている。事実上、来週一週間の間しか絵美と一緒に出掛けるチャンスは無い。
 絵美もリハビリの合間を縫っての外出が条件となりそうなことを考えると、週末が一番良さそうな気がする。絵美が入院しいる(慶一郎が入院していた)病院は、入院病棟は別として、外来診療や検査部門などは基本、土曜日が半日で日曜祝日は休みである。となると土日であれば、入院患者も治療面ではやることが少ない。
「いつにしようか?」
「土曜日はどう?」
「うん。土曜日ならリハビリも半日だし、前もってリハビリの先生とおけば午前中から外出できると思うよ」
「じゃあ、決まり。土曜日にしよう」
「うん」
 とびっきりの笑顔から返事が返って来た。


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