投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

特命捜査対策室長 上原若菜の最初へ 特命捜査対策室長 上原若菜 206 特命捜査対策室長 上原若菜 208 特命捜査対策室長 上原若菜の最後へ

ノウム原理教教祖、深野浄京-9

 自分の知らない父親の話に触れ、若菜は驚きつつもその活躍ぶりをワクワクしながら聞いていた。正芳は若菜にいつでも優しかった。休日に家族で出かけている時に緊急の仕事が入り抜け出す時も多かった。寂しく申し訳なさそうな正芳を見て若菜はどうしてそんな顔をするのだろう、お仕事なのに、といつも思っていた。正芳は途中で抜け出す自分にダダをこねない若菜に嫌われてるのかなと心配していたようだが、そんな事はない。世の中を平和にすべく仕事に向かう正芳を誇りにさえ思っていたのだ。寂しそうに去って行く正芳の背中を見て若菜はいつも思っていた。頑張ってね、パパ、と。そんな話を聞いた山下と高城は涙ぐんでしまう。
 「君はずっとお父さんを理解してあげてたんだな。ずっと好きだったんだな…。」
 「ええ。大好きでしたよ、お父さんの事。じゃなきゃ警察入ろうだなんて思いませんよ。」
 「そうだな。」
若菜はそう言って山下が父親の為に作ってくれたカツ丼をじっと見つめていた。そんな若菜を見てそのカツ丼を父親はどんな風に食べていたのか思い浮かべてるのかと思い胸を熱くした高城。だが…。
 「すみません、おかね払いますんで…、それ食べてもいいですか…?」
 「えっ…?おかわり…?」
山下はキョトンとした。
 「だって美味しいし、宙に浮い体力使ったみたいでお腹空いちゃったんですもん。」
 「はっ?宙に浮いた??」
 「あ、何でもないです。食べてもいいですか?」
 「あ、ああ、どうぞ…。」
 「やったー!」
若菜は嬉しそうに2杯目に突入した。ホッペタにごはん粒をつけながらかき込む若菜に山下は正芳の姿を思い浮かべた。
 (やっぱ親子だなぁ。)
食べ方もそっくりだ。そんな若菜を優しい笑みを浮かべながら見つめていた。
 「またくるね!」
 「ああ、待ってるよ!」
結局2杯目はサービスと言う事になった。満腹状態の若菜を乗せ高城は車を走らせた。
 「お父さんが亡くなってもう18年も経とうとしてるのか…。」
感慨深そうに言った。
 「ええ、あの時18歳でしたから。それまでの倍、時間が経ったんですね。でも私は生まれた時から今までずっとお父さんと一緒ですから。お母さんも。これからもずっと。」
両親の死を自分の中で前向きに考えられると言う事はそれだけ深い悲しみを乗り越えたと言う事だろう。高城はここまでの刑事になった若菜を誇りに思った。
 「もう越えたかな、お父さんを。」
若菜はニコッと笑う。
 「まだまだっスよ。アハハ!」
きっと若菜の中では父を越えたとか静香を越えたとか、全く意味のないものなのであろう。前へ前へ突き進む若菜に明るい警察の未来を感じたのであった。   


特命捜査対策室長 上原若菜の最初へ 特命捜査対策室長 上原若菜 206 特命捜査対策室長 上原若菜 208 特命捜査対策室長 上原若菜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前