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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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狂乱のあと-7



「そこに、シホがいるっていうのか?」

「ああ、たぶんね。だから、今すぐにでも青森へ向かおう。」

コトリが見つけてくれなきゃ、今頃あのメモ紙は洗濯機の中だ。
ケータイでさえ2回も洗ったからな。
たぶんオレだけなら、あんな紙切れに気付くことはなかった。
コトリが希望の光を見つけてくれたんだ。
やっぱりアイツはオレの天使だぜ。
病院へ来る前に、レンのマンションに立ち寄ってGTRは手に入れていた。
行こうと思えば、すぐにでも出られる態勢にはあった。

「一日だけ待て。」

逸る気持ちを諫めるように、シゲさんが止めた。

「どうして?」

「オレはこんな様だ。戦力になるとは思えん。無論、同行はする。だが、いざというときに役に立てそうもない。だから、代わりの戦力を用意する。」

「代わりの戦力?あの陸上自衛官さんたちのこと?」

彼らが一緒ならば心強い。

「いや、明日から市の防災訓練が始まるから、彼らを頼ることはできない。」

防災訓練?

「ねえ、シゲさん、どうしてあの人たちは夕べオレたちの味方になってくれたの?いったい、彼らは何者なわけ?」

アパートを出たときには、すでにふたりとも出勤して車はなかった。
お礼を言いたい気持ちもあったが、まず彼らが何者なのか知りたかった。

「やっぱり、あのふたりはシゲさんが?」

偶然にしてはタイミングがよすぎた。
しかも、あのふたりは、あらかじめ襲撃を予測していたかのように、あの状況下でも動じた気配がなかった。
何より、彼らはシゲさんの名前を知っていた。
タカの知らないところで、目の前にいる銀縁眼鏡の男は、またなにか別の策を弄していたのかもしれなかった。

「もしものときのための保険として彼らに住んでもらっていたんだ。できれば、こんな形で活躍して欲しくはなかったんだが、おかげで最悪の事態だけは回避することができた。」

やっぱり。
あのふたりは、シゲさんの隠し球だったわけだ。
最悪とは、コトリまで奪われてしまったときのことをいっているのだろう。
しかし・・・ほんと、このおっさんは色々やってくれるよ・・・。

「どうしてシゲさんは、あんな人達を知っているの?」

シゲさんに警察関係者の知り合いが多いのはわかる。
彼は剣道の教官として警察と深い関わり合いがある。
だが、自衛隊と海上保安庁では、シゲさんとの接点が思い浮かばない。

「彼らは市の防災危機管理対策委員会のメンバーだ。それぞれのセクションから連絡官として派遣されているのを俺がスカウトした。」

「防災危機管理対策委員会?」

「ああ、災害時に市民を避難させたり、救出するための対応を協議する部署だ。彼らは市と連携して各々の所属組織の運用について意見を提出するアドバイザー的役割を務めている。」

あ、だから防災訓練があると自由になれないんだ。

「でも、どうしてそんな人達が、あのアパートに?」

あそこはオレも含めて、最強の公務員宿舎。

「自衛官の彼はレンジャー隊員で、海保の彼は元SST、つまり特殊警備隊の隊員だ。どちらも格闘術を学んだエキスパートなので、いざというときのためにお願いして、あのアパートに住んでもらっていたんだ。」

「なんていったの?」

「2階に住む親子をバカなヤクザどもが脅しに来るかもしれないから、そのときは追い返してくれって、頼んだのさ。」

「へえ、でも、そんな理由だけでよくあそこに住んでくれたね。」

「家賃をただにしたからな。」

「え!?なにそれ!?」

「あそこは野呂課長のお父さんが経営しているアパートなんだ。」

「え!あのジイちゃん、野呂課長のお父さんなの!?」

「知ってるのか?」

「そりゃあ、大家さんだからね。ものすごく礼儀正しいジイちゃんでしょ?」

「ああ、今は引退されてるが、元は剣道の師範で全日本を7連覇した豪傑だ。」

7連・・すげっ!高確パチンコ並みだ!

「あの方はあの辺りの大地主さんでもあってな、アパートやマンションなんかを手広く経営してらっしゃるんだが、お前たちの住むあのアパートだけは近々壊す予定だったらしく、野呂さんに相談したら、ただでいいといってくれたので、それで彼らに住んでもらってたわけさ。」

マヂ!?
オレなんて6万近く払ってるよ!
ってか、あのアパートなくなっちゃうの?

「ところでさ・・・。」


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