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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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見えない正体-3



Years Ago……

青森市内。
品格を思わせるイルミネーションが、ひときわ目を惹く重厚な建造物。
青森シェラトンホテル。

地下の駐車場から、ロビーに向かうと、約束通り男は待っていた。
全身黒のスーツに、胸には赤いネッカチーフ。
長身痩躯の優男。
甘いマスクに光る銀縁眼鏡。
今日で、この男に会うのは3回目。
男が気づいて、すぐに立ち上がる。
こちらを振り向くなり、鋭い視線で睨みつけてきた。

けっ!相変わらず虫の好かねえ野郎だ……。

トリヤマは、胸の中で毒づいた。
腰まで高さのある大きなトランクケースを後ろに引いている。
中には、注文のブツ。

「先生様は、上かい?」

優男は、じろりとトリヤマを睨んだだけで、答えようともしない。
すぐに、踵を返すと、ついてこいと言わんばかりに、エレベーターへと向かって歩いていく。
時間は、深夜になるところ。
すでにロビーの大半は灯りが落とされ、わずかにフロント近くの灯りがついているだけでしかない。
人目は少ないが、フロントには、まだ、ふたりのスタッフが残っている。
ときおり、ひとりが、こちらにチラチラと目を向けていた。
こんなところで、トランクのやりとりをするわけにはいかない。
渋々、トリヤマも後についていった。

「さっさと渡してもらおうか。」

エレベーターに乗り込むなり、すぐに優男が口を開いた。
銀縁眼鏡の奥から放たれる冷たい眼差し。
瞳に中に浮かぶのは、軽蔑の色。

やっぱり、コイツは気にいらねぇ……。

とっさにケツからナイフを取り出すと、トリヤマは、飛び出させた刃先を優男の喉元に突きつけた。

「あんまり、エラそうにすんなよ。
 てめぇなんざ、ただの木っ葉に過ぎねえんだ。
 先生様ってわけじゃねえんだから、口の利き方には気をつけろ!」

精一杯脅したつもりだが、優男は顔色ひとつも変えはしない。

「けっ!」

しばらく無言のままに睨みあったが、冷たい眼の迫力に気押されたのは、結局トリヤマの方だった。

「ほらっ!」

乱暴にトランクの取っ手を相手に渡して、自分は適当な階のボタンを押す。
最上階の12階に辿り着くと、優男は、何も言わずトランクを引いて、出て行った。

「先生様に、よろしく言ってくんな!」

トリヤマは捨てゼリフを男の背中に向かって吐き捨てた。
深夜のホテルは、死んだように静まりかえっている。
そんなことを大声で叫べば、自分たちの命取りになりかねない。
だが、言わずにはおれなかった。
エレベーターが下がり始めて、すぐに停まる。
トリヤマは、エレベーターを出て、非常階段に向かうと、その足で地下の駐車場へと降りていった。
指定された部屋は1203号室。
あの優男によって、ブツはそこに運び込まれる。
そして、先生様の手に渡る。
だが、トリヤマは知らなかった。
その部屋に辿り着く前に、あの男がトランクを開けていたことを……。


男は、静かにトランクを引いていった。
1203号室の前で立ち止まる。
スーツの裾のポケットからキーを取り出した。
だが、1203号室のものではない。
1203号室には、すでに住人が待っている。
ドアをノックすれば、それですむ。
キーを使う必要はない。
真向かいのドアに、そのキーを差し込んだ。
部屋に入ってすぐに、トランクを開けた。

「ツグミ!!」

叱るような声。
男はトランクの中身を睨みつけた。
トランクの中で、小さく丸まった可愛らしい少女が、男を見上げて、悪戯っぽい目を向けていた。



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