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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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見えない正体-25



和磨が、如月組を再興させる、半年ほど前。
青森市の郊外にあるラブホテル街に、一件の新しいホテルがオープンした。
名は「THRUSH」
和名で、ツグミ。
地上4階建て。
総客室数は22部屋。
北欧風の外観がひときわ目を惹く、中高層建造物。
地下に駐車場があり、そこから部屋を選んで、各階へと向かう疑似フロント型のラブホテル。
窓の配置から見る限りは、4階建てにしか見えない。
エレベーターのボタンも4階までしかない。
さらに上の階層に部屋があるのを知っているのは、このホテルを造った業者と、ごく一部の者だけ。
しかし、業者は5階建てと聞いていた。
図面の青写真も、5階まで。
だが、消防局の立ち入り検査は4階で終わった。
建築確認申請も4階建とされている。

黒のベンツが、地下駐車場へ滑り込んでくる。
男が、ひとり降りてきた。
エレベーターは2基。
左のエレベーターへと入る。
階を知らせるボタンは押さずに、緊急停止用の小窓を開ける。
中には2つのボタン。
赤くて大きなボタンは、まさしく緊急停止用。
男は、なんの表示もない、遠慮がちに小さく作られたボタンを押した。
エレベーターが動き出す。
階数を表示するデジタルが、ひとつずつ繰り上がる。
4階に到達する。
エレベーターは止まらなかった。
ふわりとエレベーターが止まったのは、その数秒後。
扉が開くと、そこは赤い照明に彩られた、小さな恋人たちの待つ魅惑のハーレム。
エレベーターの出口からすぐ右の奥に「Staff Only」と、洒落の効いたドアがある。
ドアを開けて、中に入った。
十数面のモニター画面の前に、可愛らしい少女が座っている。

「パパ、お帰りなさい。」

「ツグミ、客の入りはどうだ?」

白黒のモニター画面の中で、影が動いているのは7つ。

「もうちょっとしたら、あとひとり来るみたい。」

そう答えたツグミの姿は、ほとんど半裸。
頭には、フリルのついたナイトキャップ。
首には、黒のチョーカー
やはり、大きめのフリルが目立つカフスが、両腕にひとつずつ。
右の足にだけ付けられたキャットガーターがワンポイント。
そして、わずかに前だけしか隠していないトライアングルショーツは、ささやかな羞じらいをツグミの中に見せているかのよう。
それが彼女たちのスタンダードユニフォーム。
無論、要望があれば、どんなスタイルにでも変身する。

噂をしたところで、地下のエレベーター入り口前に隠した、監視カメラの前に立つ黒い影。
男は、まるでそこにカメラがあるのを知っているかのように、じっとこちらを見つめている。

「押野さんが来たみたい。」

ツグミは、モニターの前にあるコンソールから、ボタンをひとつ選んで、それを押すと、目の前にあるマイクに向かって、話しかけた。

「ミカちゃん、来たわよ。」

モニターの中で、小さな影が慌てたように動き出す。
小型の監視カメラは、エレベーターの出口にもある。
そこに、ミカと呼ばれた少女が跪くのを確かめてから、ツグミは、エレベーターを操作するボタンを押した。
押野と呼ばれた男がエレベーターに乗り込み、上がってくる。
カメラはエレベーターの中にもあった。
この階にやってくる人間の行動は、すべてが、この部屋から監視できる。
エレベーターの扉が開いて、押野が姿を見せると、ミカは、深々と頭を下げて出迎えた。
そして、彼の腕をとって、さっきまで自分がいた部屋へと連れて行く。
部屋に入って、スーツの上着を脱ぐなり、押野は、ミカに襲いかかる。
珍しい光景ではない。
ここでは、ほとんどの男が同じようなことをする。
慌て勇んで、押野がズボンを脱ぎ、ミカに挿入しようとしたところで、ツグミが再びマイクに向かって話しかける。

「押野さ〜ん、ちゃんとローション使ってくださいね〜。」

彼女たちの性器は、まだ幼気なものでしかない。
決して、無茶はきかないのだ。
裂傷でも負えば、しばらくは使いものにならなくなる。
ツグミの声を聞いて、押野の動きが止まる。
まだ弛めてもいなかったネクタイの結び目に触り、何かをぶつぶつと言いながら、ミカの身体から離れていく。

これで、安心だな。
いいタイミングだぜ……。
やっぱり、ツグミはわかってやがる。

これで影が動いていたモニターは、すべてふたつの影が動くようになった。


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