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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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ふたりの過去-4



なんだそれ?
なんでオレが怒鳴られる?
オレが、悪いのか?………………。
納得できね!


それ以上は訊かなかった。
でも、胸ん中で、黒々としたものが、ざわざわと騒いでしかたなかった。
気持ちがハンドルに伝わる。
アクセルを踏み込んだ。
目の前に交差点が近づいてくる。
アパートに帰るのは、右。
左に思いっきりハンドルを切った。
車体が軋み、タイヤが悲鳴を上げる。
横Gに身体が持って行かれそうになる。
コトリちゃんに怒られて、普通のシートに取り替えてあった。
もう、5点式バケットシートじゃない……。

「どうしたの?………………」

シホが、不安げな声を出す。

知るか!

タイヤを鳴らし続けた。
身体が、右へ、左へと持って行かれる。

「やめて…………。」

震える声。

ヤだね!

…………………。

オレは、いったい、なにやってんだ?……。

Rのきついコーナーが迫ってくる。
このスピードで行けるか?
…………………。
知ったこっちゃねぇ!!
不安になると、たまらなく衝動的になるのが、昔からのオレの悪いクセ。
サイドブレーキに手をかけた。
ぐんぐんコーナーが近づいてくる。
対向車が来たら、間違いなくアウト。
レバーを握った手が汗ばむ。
ステアリングを、左へ……

「やめてっ!!!!!!」

いきなり、シホがしがみついてきた!

「ばっ!!」

急ブレーキを踏んだ!
思いっきりステアリングを左へ切った!
シホが被さってきて、視界が失われる。
全然先が見えない!
タイヤが、ものすごい悲鳴を上げる!
身体が、後ろへ持って行かれる!
うまく流れてくれ!!!!
祈るように、ハンドルを握り続けた…………。


すげぇ、匂い…………。
ゴムの焼けた匂いが、辺り一面に充満している。
シホの柔らかい胸が、オレの顔を押しつぶしていた。
シホは、力の限りオレにしがみついている。
うまい具合に、テールが流れてくれたらしい……。
ガードレールをすり抜けて、路肩を飛び出した。
運のいいことに、そこは開けた空き地だった。
ほんとに、運がいい……。

シホが、肩を震わせている。
頭の上で、ヒクヒクと、泣きじゃくる声が聞こえる。
お前……シートベルト外したの?……。
身を挺す、とは、まさにこの事ね……。
深いため息を吐いた。
柔らかい身体が、膝の上にある。
シホの背中を撫でた。
シホが、ゆっくりと預けていた胸を離していく。
あどけない顔を曇らせながら、オレを見つめる。
なんで、泣く?。
泣きてぇのは、オレだよ…………。

「あの人とは……何もないの……。ほんとだよ……。」

ほんとに幼い声だなぁ…………。
あんた、ホントに30になるの?……。

「お願い……信じて……。信じて………………。

瞳が、信じて、って一生懸命お願いしていた。
その、つぶらな瞳からは、涙がポロポロ、ポロポロこぼれ落ちている。

子供か、お前は…………。

コトリにそっくりな顔……。
ほんとに、子供みたいな、あどけない顔……。

「エッチしに行こう。」

「えっ?……」

「思いっきり虐めてやるから、エッチしに行こう。」

当たり前みたいに、きっぱり。

「ぅん……。」

シホは、どこかほっとしたような表情を見せた。

「どっち?」

「ん?」

「どっちの部屋でする?」

コトリのいる方がいい?それとも、オレの部屋?

「タカ君……の方。」

「思いっきり虐めてやるからね。」

「ん……。」

「声出しちゃダメね。」

「ん……。」

自信がないらしい。少し、眉根にしわを寄せる。

「じゃあ、帰ろうか?」

「うん。」

シホに、ちょっとだけ笑顔が戻る。

やっぱり、笑った方がずっと可愛いや…………。

あれ?

そう言えば…………。

後ろを振り返った。

……………………………………

お前、すげぇカッコで寝てるなぁ……。

コトリは、座席から転げ落ちて、頭と足が逆さまになっていた。


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