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幼肉の宴
【ロリ 官能小説】

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歪曲-12


「ジャガイモ剥いてくれる?」

「うん」

「あとタマネギも」

「うん」

ふたりは、着替えて寝室を出ると、キッチンに入った。
晩の食事を作るためだった。
ミナも母親の手伝いで料理には慣れていたけれど、チカもミナに負けないくらい料理はできるようだった。

冷蔵庫の中身を確かめてから、ふたりで相談して、シチューを作ることにした。
肩を並べながら、ふたりでシンクの前に立った。

シンクの下には、台座のようなものが置いてあって、チカほどの身長でも料理に困らないように工夫がされてあった。
台座は横に長くて、ミナも一緒に並ぶことができた。

ふたりともすっかり着替えて、さっきまで淫らな行為に耽っていた顔は、消えていた。
でも、意識はしあっていて、ときどき目が合うとお互いが含むように笑った。

ミナ、と呼ばれて振り向くと、突然にチカがチュッ、と唇を重ねてきた。

「包丁持ってるから、危ないよ……」

ミナは、たしなめたりもしたけれど、嬉しさは隠しようがなかった。
はにかんでチカを見つめる瞳のなかに、愛しさが滲んでいた。

「今夜、泊まってく?」

チカはミナを離したくないようだった。
まだ足りないとミナを見つめる瞳が訴えていた。

「ううん、今夜は帰る……」

ミナも気持ちはチカとおなじだった。
でも、いやらしいことをしてもらいたいのではなく、目の前の少女を好きになっていた。
一緒にいたい気持ちは強かったけれど、ミナは家に帰る気持ちを固めていた。

タケルのことが気掛かりだった。
それに、もうすぐチカの父親が帰ってくるという。

チカにあんなひどいことをする父親と一晩を一緒に過ごすつもりにはなれなかった。

「そっか」

チカも無理に誘ったりはしなかった。
それは、これからミナが目の当たりにすることを予感していたからかもしれない。


「できた」

できあがったシチューを皿に盛りつけ、テーブルに運んだ。
簡単なサラダも作って、彩りを添えた。

「食べよっか……」

テーブルに着く頃には、ふたりの口数は少なくなっていた。
料理を作っているときは楽しかったけれど、これを食べてしまえば、今夜はそれでおしまいになる。
どちらが口にしたわけでもなかったけれど、お互いが同じ思いを持っていて、それを胸にしまい込んでいた。

ふたりとも、なかなか口をつけようとしなかった。
テーブルをはさんで、お互いに向き合いながら、目の前の料理を見つめるだけだった。

「ミナ」

不意に、チカが手招いた。

「なに?」

チカは、答えもしないで、ずっと手招いている。
テーブルの上に身を乗り出し来て、ミナにこっちへ来いといっているようだった。

何をいいたがっているのか聞き取るようにミナも中腰になって、テーブルの上に身を乗り出した。
顔を近づかせると、いきなり両の頬をとられた。
チカが、ミナの頬を手のひらにつかんだまま、唇を重ねてきた。

驚いたりはしなかった。
ミナは、おとなしく目を閉じていた。
とても長いキスだった。

ようやく唇が離されたときは、胸が熱くなって、瞳に涙さえ滲んでいた。
それほど、甘くて、やさしいキスだった。

「好きだよ……」

聞こえるか聞こえないかほどの声だった。
でも、チカの唇は確かにそう動いた。

「わたしも……」

ミナもささやくような声で教えた。
じっと見つめ合った。

自然と瞳を閉じていた。
また、ふたりの唇が重ねられる。

今度はミナのほうから積極的に唇を重ねていったような気がする。
このまま、甘くて、やさしいキスが永遠に続けばいいと思った。

そのときだった。

不意に、何ものかの来訪を告げるチャイムがリビングに鳴った。
ミナの心臓が、跳ね上がった。

「パパだ」

チカは、急ぐようにして、リビングを出て行った。
すぐに玄関の開く音がして、男の話す声が聞こえてくる。

ミナの心臓が苦しいほどに鳴った。
チカに淫虐な仕置きをする父親がやってくる。

かすかに脚が震えていくのが自分でもわかった。
足音は、どんどんと近づいてきた。

ミナは、父親の顔を知らなかった。
チカのアルバムのなかに父親の姿は映っていなかったからだ。

知っているのは、凶器のように肥え太った肉塊だけである。
それを、無慈悲なまでにチカの幼気な性器に突き刺していた。

悪魔のような男が現れるのだと思っていた。


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