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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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消えた真田竜彦-6

 若菜は興味深そうにマギーの意見を聞いていた。若菜は部下の芽を潰すような刑事ではない。例え年下の部下の話でも頭ごなしに否定せず、その言葉を最後までしっかりと聞く。
 「うん、いい読みしてるわね、マギー。分かった。至急真田竜彦の部屋を確認してもらうわ。」
 「宜しくお願いします。」
電話を切ると若菜は真田竜彦のアパートを張り込んでいる刑事に連絡をした。合鍵は大家から特別に預かっていた。一人の刑事がアパート付近を見張り、もう一人の刑事が周りを注意深く目を光らせながら部屋の中へと入る。
 やがて部屋の中に入った刑事から若菜に電話があった。
 「確かに何がついていたような跡がありましたが、外されたようです。現物は見つかりませんでした。」
 「そう…。ありがとうございました。」
少しがっかりはしたが若菜の表情は生き生きしていた。若菜はマギーらがいる県警本部へと戻る。
 「残念ながら確かに何かが取り付けられていた痕跡はあったものの、取り外されて見つからなかったと報告があったわ。」
 「そうですか…」
自分の刑事としての目を確かめるいい機会だと期待していたマギーは残念そうに肩を落とした。しかしそんなマギーに微笑を浮かべて見つめた若菜。
 「でもマギーが気付いた事は捜査の進展に大事な事になるわよ?」
 「えっ?」
慌てて若菜を見上げるマギー。
 「もし白川歩美があそこに隠しカメラを仕掛けてパスワードを知ろうとしたなら、そのパスワードを知るまでは隠しカメラを外さないはず。外したと言う事は白川歩美はパスワードを入手出来たって事になるわよね?」
 「そうですね…」
 「て事は白川歩美はあのパソコンにパスワードを打ち込んで中身を見たって事。それがどういう事だか分かる?」
マギーら3人は読めていない様子で若菜を見つめる。
 「どういう事ですか??」
 「いーい、白川歩美はあのキーボードに触れてパスワードを打ち込んで中身を見たのよ?」
その意味を必死で考える3人。しかしやはり一番始めに気付いたのはマギーであった。
 「あっ…、そうか!!」
そんなマギーを見て若菜はニコッと笑う。
 「え?何?何?どういう事??」
結衣とさとみはまだ気付かない。
 「指紋よ!あのパソコンには白川歩美の指紋が残ってる。白川歩美の指紋は部屋を探せば特定出来る。だからキーボードについた白川歩美の指紋を検出すればどこに触れたが分かる。時間はかかるけどそれらを組み合わせればパスワードを調べる事が出来るって事よ!だから白川歩美の指紋が検出された文字を並べて組み合わせればパソコンは立ち上がる。」
若菜はニヤリと笑う。
 「そう言う事。」
 「でもそれが分かっても何文字か分からないし、何通りもあるから時間がかかるんじゃ…」
そう結衣が言うと若菜はすぐさま答える。
 「時間と労力を惜しんだら事件なんて解決しない。その積み重ねが事件解決には必ず必要なもの。もしそれが1年、いや10年かかろうと根気良くするのが私達の務めよ?それに時間はかかろうがパスワードを知る糸口が全く分からないよりは遙かな進歩だわ?余計あのパソコンは自作だからリセットしたところでパスワード再設定出来るかどうかも分からないしね。」
時間と労力を…、若菜が言うと物凄く重みのある言葉に聞こえるのであった。


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