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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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幕開け-9

 社員用出入口に着くとさとみを解放し、結衣が呼んできた鑑識に話しかける。
 「こちら、司法解剖に回せますか?」
鑑識の三浦はこのような死体に慣れているようだ。寝ている人間を観察するかのように死体を見ている。
 「ここまで損傷が激しいと結果が出るまで時間がかかりますね。」
 「調べて欲しいのは体のどこか…、特に上半身に銃弾、貫通、もしくは撃ち込まれた形跡があるかないかを調べて欲しいの。」
若菜の言葉に三浦は不思議そうな顔をする。
 「銃弾ですか?でもこれって爆発による…」
三浦はそこで言葉を止め現場を見渡した。
 「そうか…、確かにここは異常ですね。」
若菜はニヤリと笑う。
 「やっぱそう思う??さすがプロの鑑識!」
 「い、いや…」
照れながら頭を掻いた。
 「ここにまで来る通路には火による壁の焦げなどなかった。その通路の先のこの場所がこれだけ燃えてるのは不自然だ。それに火に焼かれて苦しんで死んだにしては2人とも綺麗に倒れ過ぎてる。本来なら普通に寝るような、こんな姿勢にはならないはずだし。ん?」
三浦は出入口の床を見る。
 「これは…血ですね。外で流血した人間を引きずり込んだような血痕だ。」
 「て事は?」
 「上原さんの話とまとめると、外で拳銃によって撃たれた2人を誰かが中に引きずり込んで火をつけた…、そう推理できます。」
 「同感!きっとこの2人は真田竜彦と客ではなく、表で見張ってた刑事だと思うの。」
 「僕もその可能性が高いと思います。」
 「て事はさっきの山田優子さんの証言と合わせると、真田竜彦と客はこの爆発から逃れて逃走した…。客が意図的に真田竜彦を連れ出してこの西進不動産を爆発したって事じゃないかな?恐らく見張りの刑事2人は客の仲間に外で撃たれたんじゃないかと。司法解剖で銃弾が背後から撃たれたと言う結果がでればますますその可能性が高くなるでしょうね。」
 「不意を突かれたって事ですからね。もしこの焼死体が刑事の物なら、ちょっとマズい事になりますね。」 
 「ええ。刑事は拳銃を所持していたはずだけど、ここには拳銃がない。犯人に持ち去られたって事だからね。」
そばで聞いているさとみと結衣には2人の鋭い推察力に全くついて行けなかった。
 「これは警察が真田竜彦の身柄を確保しようとしているのを察知した犯人が真田竜彦を連れ去る為にここを爆発してそれを実行した…」
若菜の言葉に頷く三浦。
 「真田竜彦を確保しようと動いたのは今朝の事。計画的にしては早過ぎる…ハァ…」
若菜は大きく溜息をついてらうんざりした表情をしながら言った。
 「いるわね、また…。」
と。


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