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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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幕開け-3

 近藤も吉川も状況を冷静に報告出来る程正常な状態ではないのは見れば分かった。しかし店内にはシートで被われぐったりとして動かない人の体が何体かあり、負傷し手当てを受けている捜査員や店員、客の様子を見ればとてもじゃないが話を聞くどころではないのは一目瞭然だ。運良く爆発から逃れたであろう体も衣服も綺麗な捜査員に聞くしかない。
 「僕らは車両の中に待機してました。まず容疑者が裏にある社員用出入口から逃走しないよう、2人の刑事が見張りに行きました。配置についたとの連絡を受け渡辺刑事が5人程の刑事を連れて西進不動産の中へと入って行きました。それから間もなくです。爆発が起こったのは…」
 「爆発の前後に不審な事はなかったの!?不審者が入って行ったとか…」
 「…正直みんなそこまで注意して見てなかったと思います。爆発が起こるだなんて思ってもいなかったし、全員の注意は真田竜彦と金沢と言う男の身柄を確保する事に向いていたので…。」
それはそうだ。若菜ですら真田竜彦の身柄を確保する事だけに気が向いていた。 
 「それで爆発の原因は何なの!?ガス!?…いや、ガスではなさそうね…。」
ガス爆発なら当然ガスの匂いが鼻につくはずだ。ところが現場にはガスの匂いは感じられなかった。充満するのは火薬の匂いだ。若菜は床に転がる瓦礫を見渡した。
 「あ…」
若菜は黒こげになり酷く破損したある物を見つけた。
 「そ、それは…」
その物体の面影はさとみにも分かった。
 「目覚まし時計…」
間違いなく目覚まし時計であった。壁掛け時計なら特に不自然にも思わなかったが、不動産会社に目覚まし時計は必要なく思われる。その2つを結びつけると…
 「時限爆弾…」
若菜が呟いたその一事に結衣とさとみに戦慄が走る。
 「じ、時限爆弾…!?」
そう聞くと若菜が拾い上げた目覚まし時計が物凄く怖く感じた。
 「火薬の匂い…、目覚まし時計…、爆発…。以前アメリカでマラソン大会中に起きたテロ、覚えてるでしょ?それと同じだわ。時限爆弾の作り方は今やネットに書かれていて少し知識のある人間になら簡単に作れると聞いた事があるわ。間違いない…、これは意図的に起こされた爆発…。目的は分からないけど、こんな偶然はない。恐らく真田竜彦に何か関係しているのかも…」
若菜の勘であった。立ち篭める煙の中に何か大きな大きな陰謀が隠されているようで若菜は不気味に感じたのであった。


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