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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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幕開け-2

 現場に近付くと車は渋滞し交通整理をする警官が慌ただしく誘導していた。サイレンを鳴らす若菜の車両を優先的に誘導した。
 歩道には野次馬の列がすぐに出来ていた。通行止めされた道路の、現場から少し離れた場所に車両を停め車を飛び出し現場に急ぐ。後を追う結衣もさとみも強張った表情で走って若菜に着いていった。
 天に昇る嫌な煙、そして焦げ臭さ。ビルに近付くにつれそれは増し、爆発で吹き飛んだガラスや破片がその被害の大きさを物語っていた。
 張り巡らされた立ち入り禁止の黄色いテープをくぐり中へ入る。悲惨な状況に絶句する。テレビの中でニュースとして見ていた光景がまさに目の前に広がっていた。経験の浅い結衣とさとみには、今でも目の前の現実としてではなく、ドラマや映画のワンシーンを見ているかのような錯覚に陥った。
 その時であった。到着した救急車に搬送される担架にぐったりと横たわった男性の姿が見えた。服はボロボロで、焼けて皮膚にこびりついている。肌は重度の火傷を負い、結衣やさとみが思わず目を逸らしてしまう悲惨な状態のその男性の体を揺すり、声を枯らす程、名前を呼び続いている女性の姿があった。
 「渡辺さん!渡辺さん!目を開けて下さい!渡辺さん!渡辺さん!嫌ぁぁぁぁ!!」
若菜はそれが真田竜彦の身柄を確保する為に突入した渡辺智則だと言う事に気付いた。そばで泣き叫ぶ女性は部下の三島華英だろう。恐らく2人は師弟コンビであったのだろうとすぐに分かった。信頼する大好きな上司を失いかけている部下…、胸が締め付けられる。気持ちは痛すぎるぐらいに理解できる。静香を失ったあの日が蘇る。
 今すぐに彼女に付き添ってあげたい気持を抑えハンカチを口に当て未だ煙が残る現場の中へと入って行った。
 「あ、室長!」
そこには爆発現場にいたとは思えないほどの姿の近藤と吉川がいた。
 「良かった!無事だったのね…!」
思わず全身の力が抜けへたり込んでしまいそうなぐらいに安堵した。
 「僕らは車の中で待機してたので…。とは言えあのザマですけど…」
近藤が視線を向けた先にある面パトは爆発の衝撃でガラスと言うガラスが全て粉々に砕け散っていた。中から表の道路が丸見えになってしまうぐらいに西進不動産の入口付近は激しく損傷していた。
 「近藤君、一体何が起こったの…?」
若菜は嫌な予感がした。真田竜彦の身柄を拘束するべきであったこの場所での爆発事故。この2つが繋がってしまう事が物凄く怖く感じたのであった。


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