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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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幕開け-1

 その一報は真田竜彦逮捕に向けての身柄確保の連絡を待っていた若菜に大きな衝撃を与えた。
 「緊急事態発生!城南市柳井町の西進不動産ビルにて爆発事故発生の模様!直ちに現場に急行するように!繰り返す!柳井市…」
耳を疑った。頭が真っ白になる。視線も体も全て動作を失い御洗署に響くスピーカーから流れる衝撃の放送を呆然として聞いている事しか出来なかった。
 「ど、どうして…?」
一体何が起きたのか理解できず、また現実として全く受け止める事が出来なかった。御洗署内が騒然とする中、その騒然が全く耳に入って来ない程、若菜の頭の中は真っ白になった。
 「あ…、近藤君と金田君…」
2人は現場である西進不動産に行っていたはずである。現場にいた捜査員全員が心配である事は勿論だが、同じ特命捜査対策室の近藤と金田の身は特に心配であった。
 「室長!室長!」
若菜の姿を見て慌てて走って来た結衣に体を揺すられ我に返る。
 「あ…」
まだ現実に引き戻され切れていない様子の若菜。顔を向けると結衣とさとみが顔面蒼白で若菜を見ていた。
 「爆発って…どういう事ですか!?」
 「分からない…。分からないよ…」
こんな自信なさげで意識呆然の若菜の姿を見るのは初めてであった。そんな中、若菜の口から無意識にその言葉が出る。
 「テロ…」
 「!?」
結衣とさとみはその言葉に足が竦む。警視総監にこれからはテロリストとの戦いだと言われたが、正直ピンと来なかった。しかしそんな自分達に、確実にテロという脅威が近付いている事を実感させられ一気に恐怖がその身を襲った。
 (あ…、自分がこんなんじゃいけない…。皆を不安がらせちゃダメだわ…。)
リーダーでもある自分がしっかりしなくてはならないと自らを奮い立たせる。
 「とにかく現場に急行するわよ!憶測じゃなくしっかり状況を確かめなくちゃね。行くわよ?」
 「はい!」
若菜は自らハンドルを握り、サイレンを鳴らして現場に急行する。
 若菜の面パト以外にもサイレンを鳴らして現場に急ぐ車両が数台いた。歩行者や運転手は一体何事かと怪訝そうな顔でサイレンを慣らす車両に振り向く。若菜の思考は止まったままだ。真田竜彦の身柄拘束の事さえも頭から飛んでいた。ひたすら願ったのは、何とか死者が出ていないように…それだけであった。


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