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磯崎恵利子 16歳の受淫 β.
【レイプ 官能小説】

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忘却の目覚-1

…… …… ……

…… 憂う感覚の中…… 恵利子のこころは、“想ひ起こす”

 中学二年の夏休み明け。
休み時間、教室の片隅で、クラスメイト数人が話していたことを思い出す。
声を潜めながらも、時折、歓声にも似た声が聞こえてくる。

<初めっ …… 時はまるで、身体が引き裂かれるよう…… あまりの痛さで…… でもっ  何度も っいるうちに ……それでこの前あたりから 良くなりだして…… 良くなりだしたら、女のほうが…… 十倍感 …… らしいよ>

 恵利子もそれが何についての話題であるかは、もちろん気づいていて、十分理解も出来ていた。

無関心でいられたのは、自分にとっては遠い未来の話で無関係とも言えるほどに、縁遠く感じられたからに他ならない。
恵利子にとってのセックスは婚姻と同義であり、処女を捧げる相手は当然のことながら、まだ見ぬ将来の伴侶以外には考えられなかったからだ。

 しかし二年の時を待たずして、それは想像も出来ないほどに意外な形で訪れる。
 初めてのセックスが、レイプ。
それも面識すらない成人男性による計画的なレイプで……

 恵利子にとって、初体験の記憶、痛みは無く、ただひたすら忌むべきものとなる。
すべては現実の終わりと共に告げられ、物証と共に認識させられ従わされることへ繋がる。
それでも開放され、家に戻っても、引き裂かれ押し拡げられた鈍痛は付き纏い、数日立っても異物感は消えなかった。
毎晩、悪夢に魘されながら、取り返しのつかない喪失感に苛まれる。

<…… お願いぃ もう、もう、赦してぇぇ お願ひぃだからぁぁっっ>
大粒の涙が頬をつたう。
それが無駄だと分かっていても、そう願わずにはいられない痛み。
それがかえって“おとこ”を悦ばせると分かっていても泣きながら赦しを乞う。

 喪失後も繰り返し強いられる関係。

《乱暴されている動画を流布されたくなければ、継続的なセックスに応じて欲しい》
それがレイプ行為を撮影した男から、恵利子への要求であった。

<……でもっ  何度も っいるうちに ……それでこの前あたりから 良くなりだして……>
未知なる感覚を覚えた時、不意にクラスメイトたちの会話がよみがえる。

(こっ このことっ ……なのっ? )
薄れだした痛みと入れ替わるよう、襲い掛かる未知なる感覚に戸惑うも、言い知れぬ感触が背筋を貫く。

(こっ このことっ この感覚、感触ことなの? )
初めて知る悦びに、抗い、キツク口元を噤むも、呼吸は乱れ瞳に霞が掛かる。

 その感覚が、はじまりだった。
泣きながら赦しを乞い続けていたのに、いつの頃からか“おとこ”の膨らみを目で追うようになっていた。

いつの頃からか、犯されるのではなく、抱かれるようになりはじめていた。
いつの頃からか、疼く痛みは形を変え、悦びを刻まれ自ら求めるように……

(このひとっ 大人だからっ きっと、上手なんだ? いろんなこと知ってて、クラスの男子たちとは違うっ? だからわたし、こんなに…… されて、……なっちゃったんだ。でもっ、でもっ、でも、そんなの、わたし、困る。こんなの、絶対、ダぁ メぇ…… なんだから)
後背位で貫かれ、胸元を揉みしだかれる。
呼吸が乱れてしまう。

「良く見えるよ、磯崎さん」
千章の声が背後より降り注ぐ。

「いやぁ」
恵利子は力なく応える。
あまりの羞恥に心が震える。

 千章の短く抽象的な言葉が、かえって恵利子の心と身体を深く侵蝕する。
“なに”が良く、“なに”が見えるのか?
普段は行為の最中“恵利子”と呼んでいるに関わらず、時折こうして、姓で呼ばれることがある。
それは、決まって……

そしてそれは磯崎恵利子にとって、少女ではなく、対等な大人の“おんな”として扱われている瞬間とも言えた。


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