投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

特命捜査対策室長 上原若菜の最初へ 特命捜査対策室長 上原若菜 116 特命捜査対策室長 上原若菜 118 特命捜査対策室長 上原若菜の最後へ

見極める能力-10

 すぐに鍵が開く音がした。若菜はいきなり拳銃を向けられても対応できるよう細心の注意を払いながらドアが開くのを待つ。すると出て来たのはどこにでもいるような中年の男性であった。恐らく彼が吉田だろう。特に怪しい動きをする様子もない。
 「吉田さんですね?」
吉田は緊張したような面持ちで若菜を見ている。
 「はい。」
 「お電話しました上原です。」
そう言って警察手帳を見せる。目は常に吉田の動きを警戒している。中に誰が居るかも分からない。例えば大人数で襲われたらさすがの若菜も敵わない。最悪、レイプされてもおかしくない。若菜は常に吉田の様子と周囲に目を配りながら中へ入る。
 「失礼します。」
 「どうぞ。」
玄関に靴は二足しかない。 男性用のスニーカーは吉田の、そして黒のハイヒールはミズキの物であろう。とは言え中に大勢の人間が隠れているならば馬鹿正直に靴を玄関に置いておかないであろう。若菜は警戒心を解かずに靴を脱ぐ。
 そんな鋭い眼差しを見せる若菜に気付いたのだろう。吉田が言い訳がましく言った。
 「別に何にもないんで…。そんな警戒しなくても…」
 「疑うのが商売なんで。」
吉田の言葉を軽く受け流すと、吉田は苦笑いしながら頭を掻いて奥に若菜を招き入れた。
 するとソファに一人の女性が座っていた。水色の爽やかなワンピースを着た清楚でまるでお人形さんみたいな美しい女性。彼女がミズキであろう。そのあまりにもこの商売にそぐわない容姿に若菜は驚きを隠せない。
 「ミズキさん…、ですか?」
ミズキは緊張したような面持ちでお辞儀をしながら答えた。
 「はい。」
礼儀正しいセレブといった感じだ。喜多が口にしたいかがわしい行為をするような仕事をする女にはとても見えない。喜多が骨抜きにされたのも仕方ない、そう思った。
 「お疲れの所ごめんなさい。私は県警本部特命捜査対策室長の上原と申します。」
警察手帳を見せると緊張しながらも警察手帳を少し驚いた様子で見つめたミズキ。恐らく見たのは初めてなのだろう。警察の世話になるような人間にはとても見えない。
 「名前は三鷹麗美と申します。あの…私、何か…」
不安そうな声を絞り出す。
 「いえ、安心して下さい。今回お伺いしたのはあなた自身の事ではありません。あなたが対応したお客さんについてお話をお伺いしたく参りましたので。」
 「そうですか…」
ホッとしたような表情を浮かべる麗美。ちょっとした表情の変化でも見ているこっちをドキッとさせる美しさは、やはりデリ嬢には見えない。世の中本当に分からないな、そう思った。


特命捜査対策室長 上原若菜の最初へ 特命捜査対策室長 上原若菜 116 特命捜査対策室長 上原若菜 118 特命捜査対策室長 上原若菜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前