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カゲキに愛して。
【女性向け 官能小説】

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約束-6

「ねぇ、真緒ちゃん。彼と結婚の話が出たら一番におしえてね」
「もちろん!」
「それから、結婚式のときの真緒ちゃんへのスピーチは絶対に俺にまかせて。親友として……真緒ちゃんへお祝いの言葉をきちんと伝えたい。他のひとに頼んだら、絶交だよ」
「うん──、うん。絶対、聡に頼むよ」

 泣き笑いみたいな声が出る。
 聡が、約束だよと言った。わたしも、約束ねと返した。

『他のひとに頼んだら、絶交だよ』──その言葉を、わたしたちは過去にも聞いている。
 あれは聡がわたしに、自分が同性愛者であることをカミングアウトしてくれたときのことだった。『聡は聡。何も変わらない。今まで通り、どんな相談だって受けるよ。もちろん、恋愛の話だって。相手が聡を傷つけるようなことがあったら、わたしが引っ叩いてあげる。この役割はいくつになってもわたしがやるから。他のひとに頼んだら、絶交だよ』わたしはそんなふうに、聡に言ったんだ──。

 聡。
 どんなときも気持ちを伝え合って、支え合ってきた男の子。
 悔しいことも、悲しいことも、嬉しいことも、何もかも。

 緒方さんをいいなと思った気持ち、わたし、痛いほどよくわかる。
 性別なんて関係ない。誰かに惹かれることに、男だとか女だとかは関係ない。
 緒方さんの魅力に触れ、惹かれていったこと、わたしだって同じだから。
 その思いを封じ込めて、彼はわたしを応援してくれている。

「ありがとう、聡。聡がみかたについてくれているって思うと、ほんとうに心強いの。いつもありがとう」
「それは俺だって同じだよ。こちらこそ、いつもありがとう」

 聡の笑顔が浮かぶ。柔らかくて、穏やかな笑顔。
 あの笑顔を見ると、わたしはいつもホッとする。
 どんなに傷つくことがあったとしても、どんなに腹の立つことがあったとしても、あの笑顔が浄化してくれる。

「言えてよかった。どんなふうに伝えようかと悩んでいたら、こんな時間になっちゃった。遅くにごめんね」
「ううん。話せてよかった。電話してくれて、ありがとうね」
「うん。あー、俺もいいひとを見つけよう。そんで、真緒ちゃんに自慢するんだー」
「うんうん。待ってる!」

 わたしたちはそのあと今日のことやリョーコさんたちのことについて話をして、それから電話を切った。

 ぷつりと途切れたあと、また部屋の中は静寂で満たされた。
 ぬるくなったミルクを飲む。
 優しい甘さが広がっていった。

 幸福だ、と思った。
 柔らかくて肌触りの良い毛布にくるまれているときのような安寧とした幸福感。

 ありがとう、聡。
 小さな声で、つぶやくように言った。


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