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カゲキに愛して。
【女性向け 官能小説】

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約束-2

 白い歯が溢れる。あぁ、なんて素敵な笑顔なんだろう。
 この笑顔に見惚れない人間なんて、この世にいるのかしら。

 他愛もない話に、ひとつずつドキドキしてしまう。
 頬が緩む。恋してる、って──こういうことをいうんだよ……ね。

「二十時半に予約を入れておくね」
「はい、ありがとうございます」

 電話をかける横顔を見つめる。
 高い鼻。長い睫毛。ほんとうに、うっとりするほど綺麗な横顔。

 緒方さんはいろんなお店を知っている。
 やっぱり大人って違うなぁ、なんて自分の年齢を忘れて思っちゃう。

「予約、とれたよ。聡くんから連絡がきたらすぐに出ようね」
「はい。いつもありがとうございます」
「俺が勝手に自分の好きな店に連れ回しているだけだからね、真緒たちがよく行くバーも今度連れて行ってよ」
「えっ、えーっと、あー……あそこは緒方さんには似合わないような気がしますので……」
「なんだそれ、気になるじゃん」
「あはは……」

 リョーコさんのぽってりとした唇が頭に浮かぶ。あぁ絶対ダメダメ。絶対にあそこには連れて行けないっ。

「真緒と聡くんの秘密の場所ってワケか。妬けるなぁ」
「そういうわけではないんですけどね、ちょっと変わったところなので……」

 いや、ある意味秘密の場所で間違ってはいないかも。
 ひきつりそうになる顔を隠すように、わたしはカップを取り上げて紅茶を飲んだ。

「幼馴染って響き、いいよなあ。俺の家、転勤族だったからそういう相手がいなくてさ。ちょっとうらやましいな」
「そうだったんですね。わたし、緒方さんの過去のことって、何も知らない……」
「俺だって真緒のこと、聡くんに比べたら知らないことだらけだよ。まあ、真緒の右太ももの付け根にほくろがあるってことを知ってるのは、俺のほうだろうけどね」
「やだ、恥ずかしいです……」
「真緒がよがって喘ぐ姿も、聡くんは知らないよね」
「もちろん、知らないです……」

 緒方さんがわたしの太ももに右手を這わせる。
 胸がきゅんっと高鳴った。

 静かにキスを交わす。何度も、何度も。
 ねっとりと舌が絡み合う。
 じんわりと身体の奥底から潤ってくるのを感じた。

「親御さんが下にいるのに、こんなことをしちゃいけないよね……」
「んっ……ぁふ……んんっ……」
「明日、予定あいてる?」
「は……はい、あいています、大丈夫です……」
「じゃあ明日、俺の部屋にきて」
「はい……」

 彼の舌がわたしの下唇をレロレロと舐める。
 薄く閉じられた目がセクシーで、思わず声が漏れてしまう。

「ダメだよ、声を出しちゃ……」

 ゆっくりと舌が首筋を這う。
 わたしは左手をくちにあて、声を必死でおさえた。

「蜂蜜の瓶が入っている紙袋の中に、蜂蜜の他に真緒につけてほしい下着も入ってる。明日はそれを身につけて俺の部屋においで」

 彼が耳元で囁く。わたしは蕩けそうな顔をしてゆっくりと頷いた。
 わたしに身につけてほしい下着──。

「続きは明日だね。今日はキスだけ」

 わたしたちは静かに、そしてねっとりと濃厚なキスを交わし続けた。




「おいしーい!」

緒方さんが予約してくれたお寿司屋さんの二階の個室掘りごたつ席に聡、わたしと並び、向かいに緒方さんが座っておいしいお寿司をいただいている。

「よかった。前に何度か仕事関係のひとたちと食事をしに来たことがあってね。どんどん食べて」

 ありがとうございますと聡がこたえる。
 とびきりの、わたしから見ても可愛いとしか言えない笑顔をして。


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