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背徳のTバック倶楽部
【調教 官能小説】

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【第1話】約束の土曜日-1

女の記憶は匂いが作っている。
妖艶な視線に凛とした姿勢。

会えない時間が長くなると
彼女の置き忘れたハンカチを
取り出してしまう、、。

白木香。
彼女の汗のにおいがいつしか恋しくなり、
あの店の時間がまち遠しくなってくる。

私は予約を入れるときは決まって一週間ほど前に
『高橋ですが今週末伺うとお伝えてください。』と
事前に店に伝えるようにしている。

電話をとるボーイもお決まりの言葉を
店の電話から彼女に伝える。

そう、、。今週末、月の第1週の土曜日に
決まって彼女に会いにゆくのだ。
その日が間もなく、、来る。

見知らぬ出会い系サイトで知り合った我々だが
会って交わるときは必ずといっていいほど
白木の働く店で会うことが多かった。

『店の御代はわたしのおごり、、。』と別れるときには
『また来月ね』 というかのごとく
御代分の諭吉を握らされる、、。
こんなことがもう2年も続いているのだ。

彼女は普段はOLをしているが週末になると
火照った自分の性欲の為だけに、
彼女はこの秘密倶楽部身を置き
見知らぬ男達とのたわむれを楽しんでいる。

女性ばかりの職場で異性との交わりもほとんどない彼女は
夜な夜なに自らを慰めるだけでは収まりきらず
この店の門をくぐったらしい。

美貌の仮面の下には、蛇のように絡みつく性癖と
倒錯したフェチの趣向を持っていた。

香水の仕事をしている白木の年齢は32歳、
そう三十路は少し超えているものの
年齢を感じさせないボブが似合う少し細身の女だった。
少しタイトな服が好みでコンサバな落ち着いた色が特に似合っていた。

バストはそんなに大きくないが
ウェストとヒップは理想的なラインをしていた彼女は
パンツスタイルでも、ビジネス用のスカートでも着こなせる、
恵まれたのスタイルの女だった。
いや『抜群に男好みの腰のラインを持った女性』
と言った方が適切だったかもしれない。

どんな服を身にまとっても
スタイルの良さがすぐわかる彼女だったが
とりわけお尻と腰のラインが美しかった。

かがんで物を取るしぐさが
歳頃の女の匂いを感じさせた。

通りすがりの歩道でも
道行く男たちが、そのしぐさに
振り向いた。

夏の半袖姿が眩しい女性だった。
白いブラウスと薄レモン色のミニスカートは
ファッション通リの華だった。

仕事柄いつも密着度の高い、服を着ることが多い白木は
いつの頃からか下着は決まってTバックだった。

ヒップにパンティーラインが浮き出るショーツは満員電車の中では
男たちの恰好のオカズになってしまう。逆に危険なのだという。

それまで毎日のように遭遇していた痴漢だったが
Tバックに下着を変えてからはほとんど会わなくなった。
妄想を掻き立てるシルエットは封印されたのだ。

平日の彼女は趣味の株のチェックの為
片手には日経新聞を持ち電車に乗る。

一昔前の少し大きなメガネで色気を抜き取り
化粧も限りなく薄く仕上げていた。

白木の日常は完全にフェロモンを封印し
ノーブルな女をふるまっていた。
見事なまでに二重人格であった。

何度目かの営みのあと彼女から聞いたこと、
『お金じゃないの、、。』 非常に甘美で
簡単な理由だった。

父親が大きな病院を経営をしているので、
本当はOLをすることすら必要なかった。

香水の仕事を選んだのも
『匂いだけで相手を殺す為、、。』と聞いた

白木は脳幹を突き抜ける快感がほしいだけだった。
羨ましい御身分だった。
ギャップを楽しむ雌ネコだった。

彼女の口癖といえば
『毎回刺激的なこと考えてきて、、。』だった。

雌ネコから課されたシンプルなお題だった。
私は毎月出すレポートのように
妄想を繰り返して彼女への土産を考えた、、。


彼女は私のどんな恥辱指令でも受け入れ、快楽に酔いしれた。
毎回、体中の体液を垂れ流しながら歓喜の声を発していた。

妄想の一週間は意地悪なほど長かった。
そして今日を迎えた。

用意を整えた私は店に向かう車の中で
いつものようにジンジャエールを口運ぶ。


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