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海の香りとボタンダウンのシャツ
【OL/お姉さん 官能小説】

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真剣な気持ち-3

 美紀は仕事先『マリーズコーヒー』のシフトを変えてもらって、月曜日の夜の代わりに日曜日の朝から夜までの仕事を入れた。今、心のかなりの部分を占め始めている島袋と夜に会える、というときめきが、ホールの仕事をする気持ちにも張りを与えていた。

 その日曜日。朝からしとしとと雨が降っていた。
 『マリーズコーヒー』に出勤した美紀は、店のユニフォームである焦げ茶色のエプロンを身につけ、店先のディスプレイに取りかかった。

「やだ−、ゆうえんちがいい!」
 子どもの叫び声が聞こえた。それは大きなエントランスホールに響き渡るほどの声だった。美紀は思わず顔を上げた。その声の主は6歳ぐらいの男の子だった。その子はシネコンの入り口の前で父親と思しき男性の太股のあたりをその小さな拳でしきりに殴りつけていた。
「しかたないだろ? 俊太、遊園地に行っても雨が降っててジェットコースターになんか乗れないよ」
 そしてその男性のすぐ脇に、困ったような顔で寄り添うように立つワンピース姿の女性。彼女はそこに腰をかがめて、ふて腐れた顔の男の子の手を取った。
「俊太の好きなスイレンジャーの映画を一緒に見るから。ね?」

 不意にその父親が顔を上げ、美紀と目が合った。

 それは島袋晃司だった。


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