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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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再会-10

 喜多には若菜にどうしても言わなければならなかった事があった。それは食事も終わりそろそろ出ようかと言う時であった。喜多はいきなり椅子から立ち上がり、周囲の目も気にせずに若菜の前に立ち、そのまま正座をして手を床につける。いわゆる土下座だった。顔は真剣な表情をし若菜の顔に向けていた。
 「オマエの親父を死なせてしまって悪かった。申し訳ない。この通りだ。すまない…。」
そう言って額を床につけた。
 「ち、ちょっと止めてよ和ちゃん…!」
慌ててしゃがんで喜多の肩を掴んで上体を起こそうとするが、喜多は動かない。
 「俺は…俺は…なんて事をしてしまったんだ…。ずっと後悔してた。死なす…死なすつもりではなかったんだ。俺は…俺は…」
若菜は必死で喜多の上体を上げ抱きしめた。
 「もういいのよ、和ちゃん…。私はあなたを恨んでないから…。」
 「優しくしないでくれ…。憎んでないはずがないだろう…。」
憎しみから田口を殺害したほどの人間だ。別に復讐され殺される事など恐くはない。殺されて当然だとも思っている。それよりも喜多は若菜の父親の命を奪ってしまった事を謝罪したい一心なのであった。澤口は知っていたが、他の一般客には何の事か知る由もなかった。死ぬ、殺す…、非日常的な単語に驚きを隠せない。若菜はそんな好奇な目も全く気にせず喜多に言う。
 「状況から見て和ちゃんはお父さんを狙って銃を撃った訳じゃない。静香先輩が撃った弾が高田道彦に当たってしまい、とっさに応戦して先輩に向けて撃った銃が先輩をかばったお父さんに当たっただけ。だから和ちゃんがお父さんを撃とうとしてたんじゃないって、ちゃんと分かってるから。お父さんは刑事をやっていれば有り得る殉職をしたの。私はそう思ってる。私は和ちゃんの事、憎んでないから。じゃなきゃここには連れて来ないし、とっくの昔に殺してるよ。その事でもう苦しまないで?」
喜多は涙を流していた。
 「ゆ、許してくれるのか…?」
 「許すも何も、憎んでないから。」
 「…。ありがとう。俺は…オマエの為なら何でもする…。その仕事の話、乗った…。オマエの為なら残りの人生、くれてやるよ…。」
 「和ちゃん…。」
喜多は若菜から打診された仕事の話を受ける事にした。喜多はこれからの若菜の捜査に大きな役割を果たす事になる。喜多は若菜の為なら人殺しでも何でもする決心をしたのであった。喜多にとって若菜の胸は大きな大きな愛を感じたのであった。


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