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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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錆びぬ“カン”-4

 そんなキャバクラトークが暫く続いた後、豪が無駄な笑みを消し去ったような表情で言った。
 「で、今日はそんな話をしに来たのではないんだろ?俺はもっとしてたいが、な?」
若菜もニヤリと笑う。
 「当然でしょ?聞きたい事は分かってるんじゃないの?」
 「ククク。うちの組員が殺された件だろ?」
 「そうゆー事。」
若菜は出された紅茶で喉を潤す。
 「中野光太郎、内村和昭…、どちらも今年に入って入門した新入りだ。まー街では調子に乗る事も多かったようだが、組の中では上の者に対しても態度は良かったし性格的にも内輪で敵を作るようなタイプではない。将来が楽しみな若者だったし、2人は元々友達同士って事もあり良く行動を共にしてたようだ。まぁ状況から見て2人を狙った犯行ではなさそうだから組の抗争や内輪揉めの可能性はないだろう?」
 「さっすが♪情報早いわね。どこから流れてくるのよ??」
 「ククク、秘密だ!」
 「だよねー。で、女に心当たりは?」
 「確か前野有紀と藤村茜だよな?調べさせたらウチのシマの風俗店の従業員だとの事だ。まー、所謂ソープ嬢って奴だな。2人とも相当な好き者でウチの複数の組員とも関係を持ってるらしいな。まぁ大抵は金品を強請られ捨てられてたみたいでな。で、新たなターゲットが中野と光山だったんだろう。女どもは共に多額の借金をカタに風俗で働かせられてるみたいだ。それでも金遣いが荒くなかなか完済には至らないとの事だな。でもまぁ風俗嬢とは言え女は女だ。レイプされた事は相当なショックだったんだろうな。」
 風俗嬢だからレイプぐらい大した傷痕にはならないだろう…。マギーはそう言うと思ったが、意外な言葉に少し驚いた。
 「分かってんじゃん、豪ちゃん。」
 「ハハハ!女を卑下した事言うと若ちゃんに殺されるからな!」
 「確かに♪」
2人の笑い声はマギーには奇妙に思える。
 「じゃあ女2人が共謀して中野と光山を殺害したと言う可能性はなさそうね?」
 「ああ。それはないな、まず。2人を殺すメリットがない。」
 「デメリットはあっても、ね?」
 「ああ。」
下手な駆け引きはないようだ。意見は一致しているようだ。
 「ねぇ豪ちゃん、犯人探しは警察に…、いえ私に任せてくれないかな?下手な気を起こさないで欲しいの。」
若菜が心配したのはメンツを潰されたと言い必死になって犯人を見つけ、組員が報復行為に出る事であった。勢力を伸ばしつつある龍酷会がメンツを潰されて黙っている訳がない。それと他の理由もあり龍酷会を牽制する為に今日は来たのだ。
 「ククク、それは俺と若ちゃん、双方の利害の為だろ?」
 「さすがね。分かってるね。」
 「ああ。若ちゃんの憎きレイプ犯を横取りして、まして消そうだなんて思ってないよ。逆に若ちゃんの邪魔する奴は容赦なく消してやるよ。安心しろよ。警察には協力しないが、若ちゃんには協力するからな。」
 「ありがと。」
 「だから…」
 「ヤラせません♪」
 「だよね〜!」
不思議と今の笑顔は駆け引きなく物凄くいい笑顔に見えたマギーであった。


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