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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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始動-8

 被害者女性らを御洗警察署に場所を移して事情聴取しようと打診してきた山口に言った若菜。
 「ダメ。なるべく多くの情報をここで聞き出して。この場を離れると思い出し行動が始まるから。思い出になる前の今の言葉で事情聴取を続けて。」
 「はい。」
若菜に反論する者はいなかった。
 「で、この2人の身元は分かったの?随分ガラが悪いみたいだけど。」
男性2人の体には多くの刺青が確認された。
 「ん??」
若菜が刺青を見て何かに気付く。両者の腕には龍が虎の頭に食いついている刺青が彫られていた。
 「この2人、龍酷会の者ね…。」
龍酷会…、それは千城県最大の暴力団である。龍酷会の組員達全ての体にこの刺青が彫られている。近くにいた鑑識人間が驚く。
 「どうして分かったんですか?」
 「龍が虎を食うこの刺青…。龍酷会は日本を牛耳る国内一の暴力団を目指してる。今の日本で一番の権力と規模を持つのが虎子会。その虎子会を倒してやると言った意味を表したのがこの刺青の模様なの。」
 「そ、そうなんですか…?」
 「ええ。龍酷会の組長が自慢気に言ってたから。」
 「!?ぼ、暴力団と付き合いがあるんですか!?」
若菜は意味ありげな笑みを浮かべて答える。
 「どうだか、ね?」
その笑みに鑑識は固まった。伝説と呼ばれるだけあり、実際謎が多いのが上原若菜であった。鑑識も含め近くにいた捜査関係者はみんな自分より格が違うんだと言う事を思い知る。
 「豪ちゃん今頃お怒りかなぁ…」
啓吾が聞く。
 「豪ちゃんって誰ですか?」
 「ん?権藤豪…、龍酷会の組長さまよ?」
 「く、組長…!?」
組長をちゃんづけする若菜が怖い。
 「慰めてあげようかな…。啓吾、一緒に行く?」
 「い、いえ…結構です…。」
後退りする啓吾に溜息をつく若菜。
 「これだからホーケーボーイはっ…。じゃあいいわ?マギー、行くわよ?」
マギーは顔色1つ変えずに答える。
 「はい。」
と。若菜はこの殺人現場を見て全く動揺しなかったマギーの姿をしっかりと見ていた。それにマギーには過去の自分の危険さと似た物を感じたのであった。以降、若菜は特にマギーに気を向けて職務をこなす事になるのであった。
 若菜は今知り得る情報を全て頭の中に入れる。
 「じゃあ金田と近藤は現場を指揮して?結衣ちゃん達はそのまま事情聴取と2人のメンタルケアをさせるように言って?啓吾は…、まず死体に慣れておくように!」
 そう言い残して若菜はマギーを連れて現場を離れた。
 「さて、錆び付いたカンを早く戻さなきゃね…」
そう言った若菜に反応する事なくマギーは面パトを運転していたのであった。
 特命捜査対策室として、まず手始めにと思ったこの事件がやがて日本犯罪史上、未曾有のテロ事件にまで発展する事になろうとは誰も思わなかったであろう。いや、若菜とテロリスト以外は…。若菜は自覚していた。自分が特命捜査対策室長に就任したその意味を。

 上原若菜が動くと連動して得体の知れない新たなモンスターが動き出すのである。


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