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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 相談 〜-1

〜 2番の放課後 ・ 雑談 〜


 ドアの向こうから姿を現したのは、

「おじゃまさま」

 副寮長の【B29番】先輩と、

「ちゃお」

 お人形さんみたいに小さい、おかっぱ頭の【B22番】先輩でした。

「あらあら〜。 『にっくさん』と『にに』さん〜、お二人ともどうしたんです〜?」

「ちょっと相談があってさ。 急にごめんね」

 【B29番】先輩は片手をたてて、ごめんの仕草をしました。

「はあ。 あたしは構いませんけど……とりあえず、あんまり片付いてないけど、どうぞ〜」

「謙遜しちゃって。 『つう』の部屋が綺麗じゃないなら、『にに』のところはどうなんだって感じです」

 【B29番】先輩の後ろから、【B22番】先輩が続きます。 察するに『つう』とは、【B2番】先輩のことでしょうか。 2番だから『つう』で、となると『にに』が22番、『ニック』が29番な気がします。

「うふふ〜、物が少ないだけですよ〜」

「それも立派な整頓ってことだよ」

「よいしょっと、です」

 ベッドの縁に腰をおろす【B29番】先輩と【B22番】先輩。 私は目立たないように、話の邪魔にならないように、膝立ちで隅っこに移動します。 

 回転式の椅子に座った【B2番】先輩がクルっと席をまわして2人を向きました。

「ところで〜相談といいますと〜?」

「うん。 まずは『にに』の話を聞いてあげてよ。 ほら『にに』、さっきの話」

「えぇー、もう一回ですかあ? にっくが説明してくださいです。 ににより上手にまとめてくれるし、いいねそれって言ったじゃないですか。 にに、舌がつっちゃうかも」

「何バカいってんの。 横着しないで、元々あんたの後輩でしょうが」

「う〜、にっくの方がいいと思う〜」

 ぷくっと頬を膨らませる【B22番】先輩は、とても年上には見えません。 同級生か、下手をしたら2つくらい年下に見えます。

「ほら。 時間、時間」

「はあ……わかったです。 面倒くさい後輩をもつと大変です……あのですねえ、『つう』に相談っていうのはですね――」

 うんうんと頷く【B2番】先輩が身を乗り出し、3人が話を始めます。 私はやや距離をおきつつも、耳を欹(そばだ)てていました。


 ……。


【実習科目が上手くいかない。 教官の説明が理解できないし、そもそも説明が少なすぎる。 自分は勿論クラス全部が途方にくれている。 なんとかしたいので、先輩の経験を教えて欲しい】

 【B22番】先輩に後輩が泣きついてきて、しょうがないから、誰かが指導した方がいいかなと思う。 でも自分1人じゃ寂しいし、自信もないから、【B2番】と【B29番】に手伝って欲しい。 というか、全部教えてやっちゃって――】

 ……かいつまんで言うと、【B22番】先輩の話はこんな感じでした。

 まず内容に驚きです。 確かに私たちのCグループ2組は実技系科目がヘタクソです。 座学と違って授業数が少ない実技は、教官の方針もあるのでしょうが、いきなり作業に入ります。 どうしていいか誰も分からず、グズグズと顔を見合わせているうちにすぐ叱られてしまうんです。 後ろに立たされたり、廊下で自慰させられたり、碌に作品の完成に繋がりません。 座学でしたら、誰かが動き始めて(たいていは22番さん)、それをみんなが真似するうちに上手くいくのに、実技はみんなオドオドしてます。 誰もリーダーになれてないんです。

 ただ、だからといって、私を含めてほとんどのクラスメイトは、右往左往しつつ授業時間を『やり過ごす』ことしか考えていないんじゃないでしょうか。 少なくとも、私はそうです。 だのに22番さんは何とかしようと考えていて、行動にうつそうとして、先輩を巻き込んでいる……。

 ぶっちゃけ、頭良すぎです。 そういう尤もらしい言い訳があれば、先輩から事前に予習できると思ったんですね、22番さん。 そしたら自分は他のみんなより評価が上がるし、授業は上手くやり過ごせるし、いいことばかりじゃないですか! 真面目なだけかって思っていたら、小賢しい立ち回りもできるなんて……思った以上に侮れません。



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