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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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第0章 FROM LADY GUN-8

 レイプと麻薬売買…、それが千城県についている悪しきイメージだ。湯島武史のレイプ事件から始まり田口徹により麻薬関連の事件のお陰ですっかりダーティなイメージを植え付けられてしまった千城県への観光客は年々減少していた。金を落として貰えない千城県の経済状況は今や全国で最悪の状況に陥っていた。街にはシャッター街が増えていき、治安も悪くなる。このままでは財政破綻が目に見えている。千城県にとってレイプと麻薬の撲滅こそが急務とされてた。 
 県庁に招待され講演を行った若菜。注目の講演は千城県の各方面の主要人物のみならず全国の県知事レベルの人物まで会場に訪れていた。極秘として内閣総理大臣である二階堂尊まで訪れていた。その注目の講演の最後で若菜は声を響かせた。
 「私はこの街で生まれ、そしてこの街で育ちました。忙しいお父さんに肩車をされ、お母さんが作ってくれたおにぎりを食べて私は子供ながらにも幸せを感じました。父は警官でした。非番の時でも、私と遊んでいる時でも父の目和は街を守っていました。私はそんな父が大好きでした。私が警察に入った時、未だに追いつけない大先輩がいました。彼女は私が望む全てを兼ね備えていました。憧れの存在でした。彼らはこの街を守ろうとして必死で任務につき、そしてこの地で命を落としました。私はそんな2人の…、いや、日本の平和を守ろうとした方々の意思を継ぎ、例え命を落としてもこの街を絶対に守り抜きます。だって私の生まれた街だから…。幸せな思い出がいっぱい詰まってる街だから…。大切な人が住む街だから…。」
若菜は言葉を詰まらせた。込み上げる何かを必死で我慢しているようにも見えた。若菜は天井を見つめ、そして心を落ち着かせてから言った。
 「私はそんな大好きな街に伸びる黒い手を決して許す事はできません。小さな幸せを奪おうとする黒い手を、絶対に。息のない父の顔、そしてこの腕の中で消えて行った先輩の命…、今でも私の誇りです。彼らが守ろうとしたものは私が絶対に守る。この街に住む人々に待っているものが幸せであるよう、私は命をかけて戦います。例え一人になっても…。」
静寂に包まれていた会場から割れんばかりの拍手が鳴り響いた。そんな中、誰が言ったのかは定かではないが、若菜の胸に喜びを与えた言葉があった。
 「キミはもう一人じょないぞ−!!」
だ。若菜は誰が言ったか分からない言葉に深々と頭を下げた。涙が落ちたのは下を向いたせいだと若菜は言い聞かせた。上を向いていれば絶対に涙を流さない、そう言い聞かせた。

 「たいした女…、いや刑事、か。あなたは…。フフフ…」
鳴り止まぬ拍手の途中で会場を後にする人影がいた。

 上原若菜の新たなる戦いが始まる。くしくもその日、若菜は見えない敵となるであろう人間と初対面をしていた事になる。会場のどこかにいた敵は正義とも悪ともとれる、そんな笑みを浮かべて会場を後にした。

 湯島武史、田口徹をも凌ぐ大きな大きな敵との戦いが今、始まる。


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