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『Determined Miracle〜藍田咲子の長い一日〜』
【青春 恋愛小説】

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『Determined Miracle〜藍田咲子の長い一日〜』-5

優しい……やっぱり好きでいること、やめられない。

「遅かったじゃん。」

後ろの席の時子がこっそりと耳打ちしてくる。

「うん。実は笹木と……」

数分前までの幸せな出来事を親友に報告しようと、時子の席を振り向いた瞬間、脳がフリーズ。

時子の机の上にある進路調査表。

その名前の欄には、ご丁寧に『高原時子』の文字が印刷してある。

「なにこれ?前の進路調査表の時は名前の欄、手書きだったよね?」

私は思わず叫びそうになった。

「あ?なんか担任、最近パソコンに目覚めたらしくて、打ち込んだみたいよ。ってかそれより何があったのさ。」

興味津々な時子。しかし私はそれどころではなく、蒼白になった。

ってことは……私の投げられた進路調査表ボールにも私の名前が予め印刷されていたというわけで……私の名前の進路表に、『笹木と一緒』などということが書かれているわけで……

誰かがもし拾って、中身を見たら……誤解される!!

いや、誤解ではないんだけど。

でもでも、それより、どうしよう。

あのボールを投げた裏山にはヒトはめったに行かないんだけど、2年生の理科の授業の食物連鎖のとこで行くんだよ!

うわぁ〜2年生全員、行くんだよ!252名だよ!

野球部のショートの子なんかが拾っちゃったら、一発アウト。

落ち着け。

とりあえずあれは取り戻さねばならない。

白い社に向けて投げたのだから、その辺にある筈。

大丈夫。絶対に見つかる。

私は何度も自分に言い聞かせ、その授業を奇跡的に耐えた。

こんなに授業を長く感じたのは初めてだった。

そんな中でも、こっそり笹木の方を見てみると、平然と授業を受けている。

笹木は……何を書いたのだろう。

笹木だって困るんじゃないだろうか。あんなもの他人に見られたら。

仕方ない。笹木のやつも見つけなきゃ。

私は授業終了のチャイムと同時に教室を飛び出した。

きっとクラスの数名はそれを見ていて、トイレを我慢してたんだぜあいつ、なんて思っているだろうけど、そんなことに構っちゃいられない。



とにかくひたすら走った。

そして白い社までたどり着くと、しらみつぶしに例のボールを捜し始めた。


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