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例えばこんなカリキュラム
【二次創作 官能小説】

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〜 道徳・規範 〜-4

 ……。


 8番、ふるさとの発展のために。

 幼年学校は『システム』だ。 私は『第15東宮幼年学校』の首席卒業者として『学園』に入学した。 いわば『第15東宮』の教育の集大成が私であり、私が学園で醜態をさらすことは『第15東宮』の存続にまで影響する。 中退なぞしようものなら、次年度に『第15東宮』がどうなるかわからない。 どの幼年学校も、先輩たちが血と汗と淫汁を流して守ってきた校舎だ。 私の命は、もはや私1人のものじゃない。 工場で生まれた私達にとっての『ふるさと』は、偽物とはいえ暖かかったお母さんと過ごした時間、そして『第15東宮幼年学校』だ。 私が学園の模範生として卒業できれば『第15東宮幼年学校』に箔がつく。 校舎の改修に繋がることも充分ありうる。 卒業を機に縁が切れてしまったようにも思えるが、決してそんなことはない。 いつかきっと、私の汗と痴汁が幼年学校に貢献する日が来る。 

 2号教官は、はっきり言った。

『各地の幼年学校の評価は、在校生の取り組みではなく、卒業生の動向のみで決定します。 優秀なメスを多く社会に出した幼年学校が、優秀な幼年学校と判断され、重点的に発展します』

 だったら、簡単に心を折ってはいけない。 ふるさとに錦を飾るつもりで――人前で鞭による打擲を乞うたり、『絶頂許可願います!』と叫んだり、手が入る位に広げたオケツの穴で異物をのみほすような、そんな無様な錦だけれど―― 一生懸命頑張るのもアリかな、なんて思う。


 ……。


 9番、国を愛し、伝統を継承する。

 ユーラシア大陸東端から千切って浮かせたような、か細い列島。 四季をもち、美しい風土を備え、独特の生活様式を発展させてきた文明は、けれど数十年遡って完膚なきまでに破壊された。 黒い雨で覆われた期間を地下に潜った列島文化は、断絶を経た情報として引き継がれ、今に至る。

 旧世紀の『歌舞伎』は、すべての役柄を『殿方』が演じた。 現代歌舞伎は逆で、すべてを『メス』が演じている。 『睨み』や『口上』を含めて小柄なメスが演じるだけでは迫力に乏しい。 そこで音響に工夫を凝らす。 『口上』中はケツマンコにセットしたピンマイクで放屁音を拾い、『睨み』中はこの日のために1週間かけてキャベツやサツマイモの繊維質を詰め込んでつくった一本糞の排泄音で臨場感を増すといった工夫が随所に凝らされている。

 旧世紀の『漫画』は、メスが分業することで存続している。 CGでは出せない味を失わないため、スクリーントーン主流のスタイルが継承された。 ただしスクリーントーンはいったん乳房に張ってから汗と搾乳で添付するとか、黒ズミは痴汁に証券用インクを混ぜるとか、修正ホワイトは膣に容器を納め、射精に模して原稿に掛けなければいけないといった、細かい文化が加わった。

 旧世紀の『浮世絵』は、8色刷り版画として復刻した。 デザインと抽象化はそのままに、版木を掘る道具は磨き抜かれたダイアモンドカッターが普及する。 これだと僅かの力で彫れるため、微妙な力加減を実現するべく、肛門でカッターを加えて木を削るようになった。 デザインを写した線に沿って腰を前後左右に振る様子は圧巻といえよう。

 旧世紀の『太鼓』は、楽器を『メスのおケツ及びおっぱい』に替えて受け継がれた。 撥(ばち)でもって、四つん這い或は上半身を折ってお尻をつきだした姿勢のメスを強(したた)かに打つ。 パァンと弾ける音色でもって、奉納のリズムを再現するのだ。 音の調子を変えるため、撥にも大きい物から桟を叩くものまで様々あり、まるで本物の楽器のように尻や胸で音楽を奏でる様子は、伝統芸能と名乗るに相応しい奥行きをもつ。

 こういった風情、情緒は私達の内面に隠されているかのよう。 でなくては途絶えた文化の修復なんて出来っこないと思う。 明治の芸術泰斗、岡倉天心が述べたように、『われわれの歴史の中に、我々の未来の秘密が隠されている』面が、きっとある。 

 茶道、華道、弓道、躰道……無数にある文化。 余すところなく大切に育み、現代風にアレンジし、自分なりに消化して後世に伝えることになるんだろう。 その過程で自分の先祖や文化の継承場たる学園に愛着が深まり、好循環に繋がるというものだ。


 ……。


 次が最後、国民の自覚をもって世界に貢献すること。

 世界の危機は幾度もあり、たくさんの国が当事者となって、世界の行く末を決めてきた。
 ただし直近の危機を克服した原動力は、間違いなく旧世紀名・日本という国家だ。 黒い雨の下で息をひそめた日本の優秀な人材が、自然エネルギー革命を背景に、世界を1つのシステムにまでまとめあげた。 そう考えると、私達は日本の殿方を先祖にもち、地球を代表する人類――私達はメスだけど――だといえる。 

 2号教官が道徳の最中折に触れて呟く言葉。

『哀しそうに歯車をこなすんじゃなく、満面の笑顔で自発的に回転する歯車であれ』

 どんな境遇であろうと、前向きに、積極的に、自発的に自分を貶めることが出来れば、その行為はもはや『貶める』から『目指す』に変わる。 そういう意味だと理解している。 

 たくさんの偉人を輩出した血が、私の身体にも流れている。 ならば単なる歯車ではなく、自分の意志で最適な行動をとる歯車として、社会に貢献したいと思う。 


 ……。

 毎週月曜の頭にある『道徳の時間』。

 なんだか、2号教官のいいようにあしらわれている気がしないでもない。 都合よく自分を押し殺し、誤魔化されているだけといわれればそれまでだ。 ただ、私はそれらを分かった上で、いつしか真面目に道徳に取り組んでいた。
 
 道徳を意識することなく自然に教科書に沿った振舞ができれば、少なくとも社会に出る素地はできている。 早く社会にでるために、私たちは道徳を心に沁みこませる。


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