元カレの秘密-1
仕事の休憩中、奈々子はスマートフォンを見るとメッセージが来ていた。
誰だろう・・・？とメッセージを開くと幸雄からだった。
『今日の夜、少し話せないか？』
奈々子の手が震える。
幸雄からも、別れようと言う言葉をもらっていない事を思い出す。
早く何とかしなくちゃ。
彼女はそう思って返信する。
『いいよ、何時に仕事終わるの？』
返事はすぐに返って来た。こんなことは初めてだった。
いつもメールの返事は夜中や次の日の朝で、昼間に彼と連絡が取れるなんてことは
めったになかったのだ。
今まで何ですぐ返信してくれなかったんだろう・・・？
仕事が忙しいって言うのは嘘だったの・・・？
『19時には終わると思う。奈々子は何番？』
『遅番。でもどこで会うの？』
『俺の家に来て。』
メッセージを打つ手が止まる。
・・・どうしよう。またあんなことされたら・・・。
そう考えていると彼が続けてメッセージを送って来た。
『この間みたいなことはしないから。マンションのエントランス前でもいいから。』
奈々子は考えて返信する。
『家に上がらないんだったらいいよ。』
『了解。着いたら連絡して。』
『わかった。』