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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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友人の裏切り-7

赤葉公園、学校から近い公園。

人気はなく、寂しい風が吹くだけ…。

「何なのよアイツー。」

あたるが話があると言うので向かったのだが。

「おっ!巴っ!」
「あたる…。」

一体何の用だって言うの?すると予想外の事を言い出す。

「何だ?用事って…。」
「……はっ!?」

いやいやお前から呼んだんだろ…。

「え?…巴が俺に話があるって…。」
「何言ってんのよ…そっちこそ!」

何が何だかさっぱり…。だけど傷心中の今の私にとってはどうでも良い事。

「……アイツにー、蓮に、電話とかしたか?」
「!。…いや、する訳ないじゃん、アンタも話聞いてなかったの?アイツに合宿を専念
して欲しい、だからその間私は健気に彼の帰りを待って。」
「でも、元気がないって。」
「んもぅー若葉ねぇー、私なら心配要らないって言ってるのにー。」
「しても良いんだぜ、メールでも電話でも、その方がアイツだって。」
「しないって言ってんでしょ!しつこいなぁー!」
「お前なぁー、…まぁ苦しくなったらいつでも言えよ。」
「……。」

は?

「俺でも良いし、柊さんでも良い、とにかく一人で抱え込むなって、俺達は。」
「何寝ぼけた事言ってんのよっ!」
「へ?」
「いつでも言え?一人で抱え込むな?やめてくれない?ウザいからっ!」
「ウザいって……。何だよソレ!?こっちは心配してっ。」
「分からないっ!?ほんっとアンタって筋金入りの大馬鹿っ!!」
「はぁーっ!?てめぇーなぁっ!」

つくづく鈍い男…、本当うんざりするわ…。

「それじゃー、若葉が可哀想…。」
「何だよっ!何でそこに柊さんが。」
「そんな風に優しくしないでよ!」
「……。」
「アンタにはあの子が、そして私には蓮…。それなのにそうやって優しくして。」
「俺だってんな事分かって。」
「…なら気安く声掛けないでっ!目障りだからっ!」

愛想が尽きて、そんな彼に背を向け、公園を後にする。

「おいっ!待てやバカッ!」
「んっだよっ!放せよ腹立つなぁ!」

私の腕を掴み、引き留めようとする彼。私はその手を振り払おうとし。

「きゃっ!」
「うわっ!」

案の定二人で倒れ、そして彼の顔が私の下にあり。

「…巴。」
「……あた、る。」

胸がぐわーと高ぶり、不意にコイツと付き合って居た頃を思い出し。

「と、巴?」

そして私は

決して許されない事を

してしまった……

「!!と、巴ちゃんっ!」
「あれー、どーしたんだろーあんな所でぇー。」

私は…

大事な友人の彼氏の唇を、奪ってしまった。

第13話に続く。


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