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年下カレシ
【女性向け 官能小説】

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初デート-9

自由席に腰を下ろし、辺りが暗くなると映画が始まった。

奈々子はずっと見たかった映画なのに、
隣にいる葵の事が気になって、全然内容が入ってこないでいた。

チラッと彼の横顔を盗み見ると、
素直に彼の事を、かっこいいな、と思った。

(今どきのイケメンって呼ばれる若者なんだろうな・・・。)

サラサラしたストレートの髪の毛、
前髪は目にかかりそうなくらいちょっと長い。
ぱっちり二重の目が、可愛さと色気を醸し出している。
すっと通った鼻筋に、細い顎。
学校で一番かっこいいっていう言葉がぴったりくる風貌で、
身長も180センチ以上はありそうだ。

(スポーツとかもやっているのかな?
細いのにほどよく筋肉ついているし・・・。
それにしてもこんな男の子が、なんで私なんかを相手にしてるんだろう。)

そう思っていた時、突然葵は奈々子の顔を見た。
彼女は慌てて目を逸らす。

そんな奈々子に、葵は顔を近づけて小声で囁いた。

「映画、観ないの?」

「み・・・観てるよ・・・」

「そう?」

そう言うと、彼はそっと奈々子の手に触れた。
ちょうど映画のシーンは、主人公と恋人が結ばれるシーンだった。

「俺は映画より、こっちの方がいい。」

そう言って葵は突然、奈々子の顔に近づいてきた。
そのまま自然に、彼の唇が触れる。

映画館の一番後ろの席、まわりに人はいない。

彼の舌が、奈々子の唇を割って入り込んでくる。
あの夜のように、彼の舌が淫らに動き出す。
こんなこといけない、そう思いながらも奈々子は彼を受け入れてしまっていた。

彼の手が奈々子の頬に触れたその時、
天井のライトが数か所、パッとついた。
映画はすでにクライマックスを迎え終え、
エンドロールに切り替わってしまっていた。

二人は自然に離れた。


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