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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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愛しい人-11

彼らはしばらくその場で抱き合っていた。
目が合うと、ついばむ様な口づけを交わす。
ティアラはこの上なく幸せな気分に満ち溢れていた。

―――それからラウルは言った。


「まだヤリ足りねぇけど、そろそろ行かねえとな・・・。」

「えっ?」

「・・・忘れたのかよ、お前は妃の所に行かねえとなんねえんだよ。」

「そうだった・・・。」


ふっとラウルはほほ笑んだ。


「お前は変わんねぇな。昔のまんまだ。」

「どういう事?成長してないって事?!」

「そうだな。大事なこと、すぐ忘れる。」

「えっ、嘘?私、何か忘れた事なんてあった?」

「覚えてねえのかよ・・・。森にリスを餌付けに行こうって誘ってきたのに、
餌忘れてきただろ。
それに親父さんから言いつけられたことを俺と遊んでいる間に忘れて、怒られてた。」

「やだっ、そんな事覚えていたの?!」


ラウルは急に真顔になった。


「それに俺の顔を忘れやがった。」


そう言って彼女の両頬をぎゅっとつねった。


「痛っ!」

「痛いか?」

ティアラは涙目で頷くと、彼は手を離した。
ラウルはティアラが彼に気がつかなかったことを、根に持っているようだった。

「・・・ごめん。」

そう言って彼女はラウルを抱きしめた。
それからティアラは身支度を整えて、妃の所へ向かう準備をする。


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