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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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ティエラの過ち-4

「私はこの王国の姫だったの。私には2人姉がいたわ。
とても優しいお姉さまたちだった。

一番目の姉は、この王国の近くの王子を婿にとって、時期女王となるはずだった。
二番目の姉は、隣国の王の元へ嫁いで行ったわ。

私も別の王国へ嫁ぎに行くはずだった。


でもその前にロイクと出会ったのが悲劇の始まり。


私はその頃、両親に反抗ばっかりしていた。
いつも城に閉じ込められているって思っていたから。
前国王・・私のおじい様はそんな私を見て、特別に私だけにペガサスの象牙彫りを
プレゼントしてくれたの。夢見がちな私にピッタリだってね。

それからおじい様が亡くなってしまって、すっかり落ち込んだ私はある日、
思い切って城を一人で抜け出してみたの。
開放感がすごく気持ち良くて自分の世界に浸ってしまったわ。
でも、世間知らずだった私はすぐ帰る道を見失ってしまった。


そこに偶然ロイクが現れたの。
私は盗賊っていう存在を知らなかった。
身なりが汚れていたロイクを見て、ああ、貧しい人なんだな。とだけ思ってしまった。
だから彼に何か施しをあげなくちゃって、そう思ってしまった。

私は指にはめていた指輪が目に入った。
両親から、とても大切なものだから無くしてはならない。って言われていたもの。
でも、私はその意味を深く考えていなかった。

その指輪は私の嫁ぎ先に代々伝わる、大切な指輪だって知らなかった。
いえ、今となっては両親は私に説明していたのかもしれない。
でも私は聞く気なんて全くなかった。


生活に困っている人を助けたんだから、私は両親に褒められると思っていた。

でも・・・現実は私が思い描いていたよりずっと、ずっと厳しく複雑だった。

ロイクは私をお城に送ってくれたわ。
でも、彼は両親に私が彼の元へ来るようにと要望した。父は激怒したわ。
どこかの王族でもなく、貴族でもない人にって。


それから私にも初めて怒った。
その時初めて私は、自分の立場を自覚したの。
でも、もう遅かった。

許嫁から預かっていた指輪をロイクに渡してしまっていた私たちは、
もう後戻りできなかった。
もしこれから嫁ぎに行くときに指輪がないとなってしまっては、
戦争になりかねない・・・。それくらい大事なものだったの。

両親はすぐに私を死んだことにして、この問題を終結させることにした。
彼が諦めて城を出たら、こっそりと毒殺か事故死に見せかけて彼を殺して、
指輪を取り戻そうと計画した。

父は従者に命じて、私と背格好が似ている同じ年頃の使用人を殺して、私に見立てた。
私には町娘の恰好をさせて、付き人の一人と共に、
二番目の姉が嫁いだ隣国へ行くように指示された。


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