投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

あるお伽噺の最初へ あるお伽噺 62 あるお伽噺 64 あるお伽噺の最後へ

サミュエルの秘密-7

「俺はある村で生まれ育った。俺の父親は狩人で、
俺の夢は父のような立派な狩人になることだった。

でも、ある日俺は自分の力を試してみたくなった。
お前は吞み込みが早い、父親からそう言われていい気になって。

だから一人で獲物を狩って驚かせてやろう。そう思った。
幼馴染みが必死に止めるのを聞かずに・・・。」



そう言うと同時に、彼はティアラの顔を見た。


「彼女はこのペンダントをお守りとして俺に貸してくれた。
これは彼女の母親が彼女に渡したもんだ。」


ロイクが口をはさむ。


「へぇ、なるほどな。」


「俺は一人、森の中を夢中で駆けた。鹿を見つけたんだ。
絶対仕留めて見せると思った時、崖から足を滑らせて、そのまま落下した。

気がつくと俺は、洞窟の中にいた。偶然通りかかった盗賊が俺を助けてくれたんだ。
親分は俺にどうして倒れていたのかを尋ねたが、自分でも俺が何者か、
どうして崖の下に倒れていたのか全く思い出せなくなっていた。

俺が何者かを知る手がかりは、首にかけていたペガサスを模った象牙の
・・・このペンダントだけだった。」


ティアラは彼の話を聞き入る。
もうナイフが喉元にあることさえ忘れていた。


あるお伽噺の最初へ あるお伽噺 62 あるお伽噺 64 あるお伽噺の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前