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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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サミュエルの秘密-6

記憶の歯車がかみ合った時、ティアラは確信した。

(私が昔、ラウルに渡した象牙のペンダント!)

ロイクはサミュエルにそれを弓を描くようにポーンと投げた。
彼はそれを左手で受け取り、手の中を見つめた。
ティアラはサミュエルを見つめる。

「あなた・・・やっぱりラウルだったのね?!」

サミュエルは彼女をを見つめただけで答えなかったが、
代わりにロイクが語りだした。


「それはもともとは、お前の母親、ティエラのもんだった。
俺はてっきりこいつがティエラから盗んだもんだと思ってたけど、
違ったみてえだな。」

「・・・どういう・・事?」

「俺も聞きてえな。どういうことだサミュエル?お前の生立ちを話してみろ!
まあ、お前はこのままここで、正直に話すと思えねえからな。
ちょっと演出でもしてやるか。」


そう言ってすぐ後ろに控えていた、ロイクの部下がティアラを羽交い絞めにした。
喉元にナイフがあてがわれる。

「きゃっ!」

彼女は彼女を締め上げている太い腕から逃れようとしても、びくともしなかった。


「暴れると勢いで、刺さっちまうぜ。」


男にそう言われて、冷汗が彼女の顔を伝い、言いようのない恐怖に支配される。


「やめろっ!そいつに手を出すな!!!」

「それはお前次第だな。さあ、サミュエル。話してみろよ。正直にな!」


サミュエルはティアラの顔を見つめた後、観念したように話し始めた。


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