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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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待ち人-9

その夜、ティアラはいつものように
サミュエルと二人きり、同じテントで過ごした。
並んで寝転ぶ。

「あの・・・昼間は、危ないところを、ありがとうございました。」

サミュエルはそれには答えず、ティアラをしばらく見つめた。


「お前、本当に一人で行動する気だったのか?」

「え・・・?」

「女が一人、こんな所ほっつきまわっていたら、どうなるかわかっただろう?」

「・・・はい。」

「これからは勝手な行動はするな。」

「・・・はい。」


彼女は素直に返事をする。
でも、私には譲れない思いがあった。


「あの、でも・・・私、あなたの事許したわけではありません。」

「あ?許す?」

「だって、仲間を殺したじゃないですか・・・。
私は・・人殺しは良くないと思います。」


サミュエルは冷たい瞳をティアラに向けながら、鼻で笑った。


「ふっ、お前は何もわかってねぇな。あいつらは前から俺の命を狙っていやがったんだ。俺が下した命令に従わなかったのがいい証拠だ。あの時見逃しても、
また隙を見て俺を殺そうとしただろうな。
それに、お前が女だって知ったんだ、もしあのまま生きていたら、
お前は俺のいないところで、あいつらに犯される事になっただろうな。」


・・・殺さなきゃ殺される。という事なんだろうか・・・?


「まあ、お前にはわからねえよ、盗賊の気持ちなんてな。
それに、お前の許しなんて、いらねえ。」


ティアラは俯く。
私は彼とは分かり合えることはない。
彼女はそう思った。

「俺は無駄な殺生はしねぇ、お前を襲った奴らを殺さなかっただろうが。
それは、俺の命を狙う奴らではねぇからだ。俺はあいつらとは違う・・・。」


言われてみれば、彼女を辱めようと襲ってきた男たちを彼は殺さなかった。
殺すことだって出来たのに・・・。


「明日の出発はいつもより早い。誰かのお蔭で時間くっちまったからな。早く寝るぞ!」


そう言って彼はティアラに背中を向けた。


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