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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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待ち人-13

彼らは洞窟を見つけ、そこで作戦を煮詰めるようだった。
ティアラはサミュエルと一緒に盗賊のアジトの中へ入る。
しかし彼女が闘う事なんて到底できない。
それに、どうやらサミュエルも彼らとは剣を交わらす気はないようだった。


どうやらサミュエルは、彼女の母親を連れ去った盗賊の長、
 
“名前はロイクと言うらしい。”

ロイクに何かを奪われたようで、それだけを取り戻すために彼らを数年追っていたらしい。


(それにしてもあんな野蛮な人たちに話し合いなんて通じる筈はないと思う・・・。

どうする気なんだろう。

サミュエルはいったい何を考えているの?

彼は私に自分についてくるだけでいいって言ったけど、

私はお母さんを無事に探し出すことが出来るのかな・・・。)



不安しかないけれど、ここまで来たらやるしかない。
ティアラはそう腹をくくった。

作戦会議のようなものが終わり、サミュエルの仲間たちは洞窟の傍にテントの
設営を始めた。
その間、彼はティアラを洞窟の奥へと連れて行った。


彼は椅子の高さのちょうどいい岩を見つけ、そこに腰を掛けた。
ティアラはサミュエルの前に立った時、彼は話し始めた。


「明日、奴らのアジトに乗り込む。」

「はい、わかっています。ここまで連れてきてもらって、ありがとうございました。」

「・・・ありがとうじゃねえ・・・。」

「・・・え?」

「え?ってお前、忘れたわけじゃねえよな?」


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